大阪市議会 > 1973-03-06 >
03月06日-02号

  • "高架化工事"(/)
ツイート シェア
  1. 大阪市議会 1973-03-06
    03月06日-02号


    取得元: 大阪市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-25
    昭和48年第1回定例会(昭和48年3月)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和48年3月6日)    ◯議事日程    昭和48年3月6日午前10時開議第1 議案第13号  昭和48年度大阪市一般会計予算第2 議案第14号  昭和48年度大阪市大学医学部付属病院事業会計予算第3 議案第15号  昭和48年度大阪市食肉市場・と畜場事業会計予算第4 議案第16号  昭和48年度大阪市宅地造成事業会計予算第5 議案第17号  昭和48年度大阪市市街地再開発事業会計予算第6 議案第18号  昭和48年度大阪市駐車場事業会計予算第7 議案第19号  昭和48年度大阪市土地先行取得事業会計予算第8 議案第20号  昭和48年度大阪市母子福祉貸付資金会計予算第9 議案第21号  昭和48年度大阪市国民健康保険事業会計予算第10 議案第22号  昭和48年度大阪市心身障害者扶養共済事業会計予算第11 議案第23号  昭和48年度大阪市市民病院事業会計予算第12 議案第24号  昭和48年度大阪市中央卸売市場事業会計予算第13 議案第25号  昭和48年度大阪市港営事業会計予算第14 議案第26号  昭和48年度大阪市下水道事業会計予算第15 議案第27号  昭和48年度大阪市自動車運送事業会計予算第16 議案第28号  昭和48年度大阪市高速鉄道事業会計予算第17 議案第29号  昭和48年度大阪市水道事業会計予算第18 議案第30号  昭和48年度大阪市工業用水道事業会計予算第19 議案第31号  昭和48年度大阪市公債費会計予算第20 議案第32号  昭和48年度大阪市都島本通外14財産区予算第21 議案第33号  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第22 議案第34号  ガス普及の促進に関する件の一部改正について第23 議案第35号  当せん金附証票の発売について第24 議案第36号  全国自治宝くじ事務協議会規約の一部改正に関する協議について第25 議案第37号  近畿宝くじ事務協議会規約の一部改正に関する協議について第26 議案第38号  議会の議決に付すべき契約に関する条例の一部を改正する条例案第27 議案第39号  土地の取得について(東高等学校・東商業高等学校移転用地)第28 議案第40号  大阪市中小企業融資基金条例の一部を改正する条例案第29 議案第41号  大阪市中央卸売市場事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案第30 議案第42号  大阪市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例案第31 議案第43号  大阪市貿易観光案内所条例の一部を改正する条例案第32 議案第44号  大阪市中小企業指導センター条例の一部を改正する条例条第33 議案第45号  大阪市高齢者居室整備資金貸付基金条例の一部を改正する条例案第34 議案第46号  大阪市公害防止設備資金融資基金条例の一部を改正する条例案第35 議案第47号  大阪市立桃山病院条例の一部を改正する条例案第36 議案第48号  大阪市立駐車場条例の一部を改正する条例案第37 議案第49号  水洗便所設備資金貸付基金条例の一部を改正する条例案第38 議案第50号  大阪市都市再開発融資基金条例の一部を改正する条例案第39 議案第51号  大阪市公園条例の一部を改正する条例案第40 議案第52号  大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案第41 議案第53号  大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案      ---------------------------------◯出席議員92人(欠は欠席者)      1番    鈴木清蔵君      2番    土居一雄君      3番    小畑一男君      4番    薩摩夘三郎君      5番    足高克巳君      6番    木下伸生君      7番    奥野修三君      8番    中西建策君      9番    関根信次君      10番    近藤 正君      11番    竹村芳春君      12番    井出和夫君      13番    岡田明経君      14番    小林和美君      15番    森川美代君      16番    柳井伝八君      17番    森野光晴君      18番    加藤 進君      19番    勝田重春君      20番    藤岡信雄君      21番    中西昭郷君      22番    小郷平八君      23番    岩田 章君    欠 24番    森下土治君      25番    室屋定三君      26番    吉村達雄君      27番    隅野源治郎君      28番    小林通夫君      29番    岡野正雄君      30番    中石清一君      31番    岸本太造君      32番    内村作二君      33番    山下博義君      34番    高橋幸一君    欠 35番    山下喜一君      36番    音在又一君      37番    辻 昭二郎君      38番    福岡たづ君      39番    高野光男君      40番    改発 弘君      41番    井上英夫君      42番    松井義明君      43番    山川洋三君      44番    仲谷誠夫君      45番    四方棄五郎君      46番    浜口盛男君      47番    浜浦重治君      48番    姫野 浄君      49番    沓脱タケ子君      50番    若林伊太郎君      51番    上野 弘君      52番    塩田吾一君      53番    安松克己君      54番    野口末造君      55番    高垣松雄君      56番    倉川 薫君      57番    辻  渡君      58番    古山一郎君      59番    沼田喜一君      60番    佐々木栄一君      61番    美延重忠君      62番    行岡忠雄君      63番    大丸志朗君      64番    天野 要君      65番    野村 清君      66番    田中豊栄君      67番    島尾 茂君      68番    山口武志君      69番    栗須 斉君      70番    吉田辰治君      71番    南 常治郎君      72番    中村賢三郎君      73番    伊藤 募君      74番    勝田真人君      75番    田中正男君      76番    寄吉 極君      77番    吉田 弘君      78番    中田捨次郎君      79番    佐野繁雄君      80番    西風金之助君      81番    粟井岩吉君      82番    坂木 実君      83番    長田義一君      84番    坂井三郎君      85番    次田虎雄君      86番    黒田廣一君      87番    北山 勇君      88番    大西保三郎君      89番    井上秀之助君      90番    大神 仁君      91番    村田岩雄君      92番    黒木武好君      93番    中尾安夫君      94番    長沢利治君      ---------------------------------◯職務のために出席した事務局職員                   市会事務局長       藤井弘巳                   次長           榎村 博                   議事課長         上羽睦義                   議事係長         藤田 衛                   委員係長         谷口勝彦      ---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員                   市長           大島 靖                   助役           福山真三郎                   同            内山敞義                   同            石川多賀夫                   収入役          久川芳蔵 (総務局長)            事務吏員         竹村保治 (職員局長)            同            稲田芳郎 (同和対策部次長)         技術吏員         伊藤文夫 (財政局長)            事務吏員         道廣一實 (総合計画局長)          技術吏員         寺田久彌 (経理局長)            事務吏員         西井文雄 (民生局長)            同            西尾正也 (経済局長)            同            麻 正保 (環境保健局長)          技術吏員         中山信正 (清掃局長)            事務吏員         庄司修造 (土木局長)            技術吏員         近藤和夫 (下水道局長)           同            栗林春日子 (都市再開発局長)         同            小寺 稔 (公園部長)            同            加藤一男 (建築局長)            事務吏員         圓井東一 (港湾局長)            技術吏員         叶  清 (市立大学事務局長)        事務吏員         山口正和 (交通局長)                         長澤 滋 (水道局長)                         水野福太郎 (消防局長)            消防長          氏原岩雄 (教育委員会委員)                      庄野英二 (教育長)                          芝山嘉郎 (選挙管理委員会事務局長)     事務吏員         米田拾二 (監査事務局長)          同            佐々木政憲 (人事委員会事務局長)       同            安宅宗吾      --------------------------------- △開議    昭和48年3月6日午前11時2分開議 ○議長(辻昭二郎君) これより市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者を音在又一君、大神仁君のご両君にお願いいたします。 ○議長(辻昭二郎君) 日程第1、議案第13号、昭和48年度大阪市一般会計予算ないし日程第41、議案第53号、大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案、一括して議題といたします。 ○議長(辻昭二郎君) これより質疑に入ります。 加藤進君の質疑を許します。18番加藤進君。 ◆18番(加藤進君) 私は、今回ご上程になりました昭和48年度大阪市予算案並びにこれに関連する諸案件に対し、自由民主党大阪市会議員団を代表して、大島市長並びに理事者各位に質疑をいたしたいと思います。特に今回の予算案は、大島市長が、市長就任後初めて実質的な真価を問われる非常に重要な予算案であり、以下数点にわたって市長にお尋ねいたしたいと思います。 まず第一に、大島市長の政治姿勢について伺いたい。大島市長は、一昨年の市長選挙における選挙公約の中で、われわれが最も注目したところの公共料金の抑制を断言されていたわけでありますが、市長就任以来のこの1年間というものを振り返ってみると、公共料金の抑制どころか、革新市長だと自負しながら、全国に先がけて公共料金値上げ市長だとまで名声とどろくほど交通料金、下水道料金、水道料金と次から次へと値上げをした市長は、まさにここにおられる大島市長が初めてではないかと思うのであります。公共料金の抑制ということを市民に公約されたのは、単に選挙を勝ち抜くための、票を獲得するための単なる手段でしかなかったのか、この点についての市長の基本姿勢をまず伺っておきたいのであります。 次に、大島市長は、就任後、市政の基本方針として、たびたび市民参加の市政を推進すると述べられているが、一方、現実には高速道路建設の問題、阿倍野再開発の問題、清掃工場建設の問題など、重要問題が次々と住民の強い反対運動によって、一歩後退を余儀なくされている現状にある。私はこれらの問題は、すべて市長の姿勢そのものに問題があり、市民参加の市政を貫くと口先だけで言うばかりで、何ら住民との対話もなしに、一方的な押し付け行政を住民にしいてきた結果であると断言したい。市長、一体あなたが言われておる市民参加の市政とは、一体何なのか。いま、その原点に立ち返って、市民の前ではっきりと、あなたが考えておられる市民参加の方式、あり方というものを明確に示されることを強く要請するものであります。その上に立って、なおかつ、現在山積しているこれらの諸問題について、今後どのように対処し、解決していこうとされるのか、市長の腹がまえのほどを具体的にお伺いしたい。 次に、その具体的な問題に触れてまいりたい。まず市長は、新年度予算説明の中で、阿倍野地区の再開発計画を推進すると述べておられるが、一方、地元住民から1月30日付で計画決定絶対反対の陳情が市会に提出され、その後計画土木委員会において審査した結果、今後なお慎重に検討するということで、一応各党持ち帰りとなっている新たな状況もあり、地元住民にはいまだ強い反対運動があることは、市長もよくご存じのことだろうと思う。大阪の南の玄関口としての阿倍野再開発計画は、その構想発表以来、すでに4年の歳月が流れ、本年度末計画決定に持ち込みたいとする理事者の意向とはうらはらに、住民の反対運動が日増しに高まりつつある今日、一部には、市長はこの阿倍野再開発計画を半ばあきらめたのではないかという憶測さえ流れているが、一体、市長はかかる現状を冷静に見つめた上で、今後この問題にどう対処しようというのか。また、本計画は、その規模からいっても、ばく大な予算とかなりの長期間を要する大事業であるが、たとえば一歩前進を見て、計画決定がなされた場合、市長は最後まで責任をもってやろうとするのか。もしやるという信念があるなら、その計画決定の内容と範囲及び完成時期等について、市長の明確なる答弁を伺いたい。 次に市長は、同じく予算説明の中で、高速道路建設に伴う側道整備を進めると言っているが、これはさらに高速道路の建設を推進し、またこれに伴う側道の整備も進めるということに理解するのでありますが、聞くところによれば、昨年10月の都市計画地方審議会において、泉北高速道路建設の議案が、4項目の付帯条件をつけて、賛成多数で通過し、知事に答申したところ、知事は、自分の能力ではこの問題を処理できないと言って、建設大臣に何ら認可申請もせず、問題の4項目の付帯条件については、大阪市が全責任をもって履行できるかいなかを問いただしているというが、これは事実なのかどうか。もし事実であるとせば、今後高速道路建設をさらに推進していこうとする大島市長として、こういう知事の態度についてどう考えるのか。また4項目の付帯条件の完全履行は、大阪市の責任においてできるのか。また、知事に対する回答はいついかなる方法で行なったのか。さらに泉北線に関する建設反対の請願、陳情等が、計画土木委員会において何度も審査され、そのつど与党の社公民3党で留保の取り扱いがなされている点、市長はどう考えておられるか。また、泉北線を含めて今後の高速道路建設には、地元住民からの反対意見がより強力になってくると考えるが、ここであらためて高速道路建設に対する市長の所信を伺いたい。 次に関連して、阪神高速道路松原線駒川ランプ建設の問題についてぜひ伺っておきたい。駒川ランプの建設位置は、ご承知のように、市内有数の商店街である駒川商店街と駒六商店街の入口にあたり、さらにこの両商店街を東西に遮断するかっこうで、交通量の激しい柴谷平野線が走っており、かつまた南北には、近鉄南大阪線があって、最近すでに一部高架化工事が始まっているような、地形上、商業上、住宅事情、どこをとっても相当困難性を持っているようなところに松原線が計画決定され、南海平野線及び近鉄南大阪線をまたいで、実に高さ30メートルにも及ぶ高速道路が建設されることでさえ反対の動きがあるにもかかわらず、ここに駒川ランプの建設が計画されるにいたっては、論外であるとして、地元住民及び商店街から、駒川ランプ建設反対の強力な陳情が、阪神高速道路公団と大阪市との間になされてきた結果、最近になって初めて阪神高速道路公団側から、その一部を除いて駒川ランプ建設の中止を回答してきている実情にあるが、そもそも地元住民の声を全く聞かずに一方的な線引きによって駒川ランプ建設を計画し、何が何でも実行しようとした総合計画局及び市長から、本問題についての責任ある考え方をこの際明確にしていただきたい。 次に、公害対策の機構についてお尋ねしたい。いまや公害問題は、国民の生命と暮らしを守るための国民的課題であるとともに、最重要課題であることは言うまでもありません。本市においても公害問題が強く叫ばれるようになってから、いち早くその機構の充実、強化に着手し、それまで二元化して何かと複雑であった当時の総合計画局の公害対策部と衛生局の公害関係部門とを一元化して、現在の環境保健局の環境部が設立されたのであります。しかしながら現在では、この機構で万全とはいえない状況にあり、公害関係の人員、器具、器材の不足は、たびたび各方面から指摘されているところである。市長、この際いままでのような、何とかなるだろう式ではなく、ひとつ公害局というものを新設してでも、あらゆる観点からもっと強力に公害問題と四つに取り組み、ほんとうに公害の絶滅に全力をあげるべきときであると思うが、その意思はありやいなや、その決意と信念のほどを伺いたいのであります。 次に市長は、今回の予算は市民生活重視、福祉優先の積極予算であるとし、恵まれない境遇にある人々に、つとめてきめのこまかい福祉施策を心がけたと自負しておられるが、本来、福祉というものは、きめのこまかい施策を要請されるものであり、今回の予算を一見した限りにおいては、おおむね適切であるかのように受け取れるが、ここでさらに一歩深く掘り下げていくならば、あまりにも総花的、こま切れ予算であるとの感を強く持たざるを得ない。市長、たとえばお年寄りに対する敬老づえにしても、貸し与えるのではなくて、いっそうのこと無料で差し上げたらどうなんですか。どれだけお年寄りの方が喜ばれるかしれません。予算は幾らも要らないではありませんか。その辺がほんとうに血の通った市政であるかいなかの分かれ目であると思います。また、各区ごとの老人ホーム建設公民館的ホールの建設という大英断も示してこそ、市民の連帯惑を深め、老人を大切にする福祉市政と言えるのではなかろうか。また、次代をになう青少年への福祉予算も全くといっていいほど組み込まれていない。特に、苦労してがんばっている勤労青少年には、ただ単にホームの建設にとどまらず、もっと根本的な、これからの社会、いな日本を背負って立つのだという生きがいを持たせるだけのあたたかい施策を講じてやっていただきたい。何といっても新しい時代をつくるのは、この青少年の、純粋でひたぶるな情熱と力であります。この情熱と力を十二分に醸成できるような、より強力な施策を講じるのは、もはや時代の要請であります。しかるに、このような人々に対する何らの施策も講じず、ただ従来のマンネリ化したもので満足しているということは、きびしくいえば、あまりにも形式的な姿勢は、根本的な福祉理念の欠如の姿であると断言せざるを得ない。市長は、この点についてどう考えるのか。真剣な答弁をいただきたい。 次に、先ほどの問題にも一部触れる面もあるが、社会教育の充実、強化という問題についてお尋ねしたい。昨今、新聞紙上をにぎわした若い母親による赤ちゃんの石こう詰め事件、また母親の蒸発により、とほうにくれて子供を駅に放置した父親の問題、また子供が何の抵抗もなく父母を殺害するなど、まことに悲しむべき事件があとをたたず、これら生命軽視の風潮は、今日大きな社会問題となっているのであります。しかしながら、これに対処すべき良薬は何ら見当たらないというのが実情であります。しかしながら、私は、このような社会問題を解決していく芽が、婦人教育、青少年教育、幼児教育などの社会教育にあるのであり、その使命を果たさなければならないところに、社会教育のむずかしさとその重要性があると思うのであります。しかるに本市の社会教育予算はどうかというと、たった2億足らずのちっぼけな予算で、このような大きな社会問題に対処しようというのであります。参考までに、本問題に対する市長の予算説明を読み上げるならば、「青少年の豊かな情操を養うためにできるだけ多く芸術鑑賞の機会をもつことができるよう計画するほか、西日本各地の青年と交流のための青年の船や婦人指導者の海外派遣を助成するほか、幼児教育相談を充実いたしますなど、青少年および婦人教育の振興に1億7,700万円を計上いたしました。」と述べている。教育とは本来地味なものであり、幾ら金を投じたから、どうこう形となってあらわれてくるものではないことは百も承知であります。なかんずく、社会教育については、そうなのであります。しかしながら、今日このような深刻な社会問題となっており、いまや国をあげて根本的な解決策を講じなければならないとさえ叫ばれている現在、本市の重要施策となっている本問題についての予算が、たった2億円足らずで、はたして本気になってやる考えがあるのかどうか。今後この社会教育予算については、もっと増額して積極施策を講ずるとともに、機構をさらに充実、強化して、教育委員会から独立した機構を創設してでも、真剣に取り組む考えがあるかどうか、市長の腹の底を聞かしてもらいたい。 次に、最近のわが国の円の変動相場制移行に伴い、経済界は多少の動揺を来たしている現状にあるが、とりわけ中小企業に与える影響は大なるものがある。新年度予算における本市の中小企業対策、とりわけ金融対策面では、無担保融資限度額300万円、無担保、無保証融資限度額200万円、保証料率の引き下げなど若干の前進が見られるが、従来ややもすれば、融資申し込みがあった場合、それが新しい人である場合、限度額一ぱいの申し込みがあっても、運用上50万とか100万から出発している。そうでなく、ほんとうに困窮している中小企業者の救済対策というならば、このやり方を変えて融資限度額一ぱいを融資するという姿勢をぜひとってやっていただきたい。そうでなければ、こういった施策の前進も題目倒れになりかねない。なお、今後、円の再切り上げが予想される傾向にあるが、これに対する金融対策など、本市としてどのように予測し対処しようと考えているのか、その方策もあわせて市長に伺いたい。 次いで、さきにわが党が予算要望したにもかかわらず、何ら回答のなかったところの中小企業指導センターを拡充強化し、各行政区ごとに中小企業の経営診断、指導育成ができるような機構の充実という点について、市長はどのように考えているのか、決意のほどを伺いたい。 次に、最近の建設材料の値上がりに伴う公共事業との関連性についてお尋ねいたしたい。昨年の秋ごろから木材等建設材料は、急激な高騰を示し、これに伴い、公共事業を進めていく上で非常な影響が出ていることはご承知のとおりであるが、いまや建設業界においては困惑している状態であります。特に中小建設業界においては、急激な材料の値上がりは、いまや死活問題となっており、去る3月3日のテレビ放送によれば、材料の値上がりにより二十数社が倒産するという深刻な様相を呈しており、公共事業にも多大の影響を及ぼしているのであります。そこで本市契約条項第16条によると、「工期内に物価の変動或いは材料費、賃金の変更等経済事情の著しい変動によって、請負金額が不適当であると認める時は、甲(大阪市)乙(請負業者)協議の上、請負金額又は工事の内容を変更することができる」と明記されている。現在の状態は、経済事情の著しい変動と理解することが妥当であると考えられます。公共事業は、各局の事業に及ぶ問題であり、事業を積極的に進める市長としては、中小建設業界に対し、本市契約条項第16条を適用し、救済をはかるべきだと考えるが、この点、市長はどのように考えておられるのか、お伺いしたい。 次に、霞町車庫あと地処理問題についてお伺いいたします。現在、交通局が所有しております霞町車庫あと地、約8,000坪は、昭和42年に策定された交通局財政再建計画によると、できるだけ早い機会に売却し、その予算を交通局会計に繰り入れるということになっている。これを受けて、昭和42年12月に、地元住民から、当該土地を市の一般会計で用地確保にあたり、新世界につながるレジャーセンターとして計画されたい旨の陳情が出されている。当時の計画土木委員会は、この陳情を慎重審議した上、採択している。しかるに市当局は、現在に至るまで、まる5カ年間、全くこの問題を放置してきたのであります。何らの計画も示すことなく、また用地確保の手段すら講じていない。昭和48年度は、交通局財政再建計画の最終年度となっているが、一体この問題についてどのように対処しようとするのか。議会側としては、常任委員会で市民の陳情を採択しているにもかかわらず、理事者がこの問題を放置している態度は、議会軽視もはなはだしい。このような状態であるにもかかわらず、市長は、昨年7月地元に行き、地元民の前で、必ずレジャーセンターをつくりますと確約しているとの新聞報道がなされている。にもかかわらず、一方では何ら前進的な施策を講じていないというこの現実の市長の態度は、全く許せないものであります。交通局財政再建計画の最終年度を迎えるにあたって、市長の責任ある回答をいただきたいと思います。 次にわが党が48年度予算編成に対する要望の中で唱えてきた市役所総合庁舎の建設についてお尋ねしたい。現在の市庁舎は、大正10年に建設以来五十数年を経過し、その間行政需要の増大に伴い、行政組織もそれに対応して拡大されて、今日ではこの建物に入り切れず、各局が分散したタコ足になっている現行は、周知の事実であります。これによって市民は非常な迷惑と不便をこうむり、また市も損失的経費年間約3億円余りがあり、時間的にもロスを来たし、さらには職員の事務的能率は大いに低下を来たし、士気に影響を及ぼしているのが実情であります。また一方、建物そのものも、決算委員会等で質疑があったように、構造上にも種々問題点もあるように、老朽化していることは明白であります。ところで、昭和43年4月に、市庁舎建設準備委員会を発足させ、また、市庁舎建設基金条例を設けて、毎年3億円ずつ積み立て、またさらに46年10月、市庁舎問題調査委員会を設置して以来、検討を続けてこられたようであるが、その結論というか、方向づけというか、固まりつつあると聞いているが、昭和48年度予算案を見るに、積み立て金3億円と調査費600万円の従来と変わらぬ予算しか計上しておらず、前進的な予算措置が織り込まれていない状態である。本庁舎を建設するとなれば、相当多額の経費を必要とするため、市民感情の面からもいろいろ議論のあることも理解はできるが、しかし、他方、先ほどから申し述べている実情もあることを考え合わせて、あらゆる可能な工夫をこらし、財政上の措置を講じ、早期建設をはかるべきである。本予算案を見る限り、市長の熱意が全然感じられないが、これに対する市長の考えをお聞きしたい。 次に、行政区再編成の問題についてお尋ねしたい。昨年11月、審議会の答申案に基づいて、4区の分区案が上程可決され、一応のめどがつき、本年度の予算案の中に、分区に伴う庁舎の建設、その他施設の充実の予算が計上されているが、審議会の答申においては、一方、合区の答申もなされている。この合区の問題については、今後どのように取り扱うのか、市長の所見をお伺いしたい。 次に、水資源問題について若干お尋ねしたい。現在、本市の水資源は、琵琶湖及び下流の淀川水系に依存している現状にあるが、先ごろの新聞紙上によれば、近畿地建委託の土木学会の調査がこのほどまとまり、発表されたところによると、昭和60年には、琵琶湖周辺人口の増加による汚水や肥料、家畜、工業排水が原因となって、窒素、燐がふえ、大津などの南湖だけでなく、長浜などの北湖周辺部でも、強腐水性のところが出てくると指摘しており、この琵琶湖の汚濁が進むことによって、上水、取水源として不適当となるということを述べているが、この点についての実情ともしこの調査が適正であるとするならば、今後本市としてはどのように対処し、また、新たな水資源を確保しようと考えているのか、その構想を市長に伺いたい。 最後に、地下鉄の郊外への延伸計画に関して一言お尋ねしたい。いよいよ新年度には、昭和50年12月完成を目途に、都島、守口間の建設及び52年3月完成を目途に2号線の天王寺、八尾南間の建設工事にそれぞれ着手するための予算を計上していますが、今後かかる衛星都市への地下鉄の延伸計画とその経営主体の問題についての基本的な構想について市長の所見を伺いたい。 まだまだ質問したいことがたくさん残っておりますが、時間の都合もありますので、以上で私の質問を終わらせていただきます。市長並びに理事者各位におかれては、具体的かつ明快なご答弁をお願い申し上げる次第であります。 なお、駒川ランプウェイの件については、ご答弁の次第によりましては、さらに再質問をさせていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(辻昭二郎君) 理事者の答弁を許します。大島市長。 ◎市長(大島靖君) 加藤議員のご質問についてお答えを申し上げます。 まず劈頭、選挙の際の公約の問題でございますが、私は、およそ選挙の際における公約というものは、必ず守るべきものだと信じております。ただ、ただいまご言及になりました公共料金につきまして、私は、公共料金は絶対に上げないというような無責任なことを申した覚えはございません。ただ、公共料金というものは、物価の問題の中でも非常に大事なものでございますので、公共料金というものは、できるだけ抑制さるべきものだと考えております。したがって、昨年来交通料金の改定の問題にいたしましても、ご老人に対する配慮その他できるだけの民生福祉の配慮をいたしてまいりましたし、また、下水料金の問題、あるいは上水道の料金の問題にいたしましても、できるだけ一般市民生活へのご負担が軽くなるようにという配慮をできるだけ講じながら、また公営企業の経営の健全化をはかってまいる、そういうことによって、公共事業としての基本的な使命もまた大事でございますので、そういった方針をとってまいっておることをご了承賜わりたいと存じます。 次に、住民参加の問題についてのお尋ねでございます。私は、市政、およそ行政というものを--政治もまたしかりでございますが、ことに行政、特に地方行政、さらにはまた第一線の地方行政機関でございます市町村行政におきましては、市民の皆さま方に市政全般についてよくご説明を申し上げ、ご理解もいただくと同時に、また一方市民の皆さん方からいろいろなご意見をお聞きし、これを積極的に市政に反映させてまいる、このことが非常に大事なことだと考えておりますし、また民主主義の基本もここにあると思うのであります。したがって、まず第一義的には、私は市民代表として市政にご参画をいただいております議会の皆さま方を中心にして、いろんな市政全般についてのご論議をいただき、またいろいろなご意見をいただきながら市政を行なっていく、このことが、第一義的、基本的に大事な住民参加の方途であると信じております。しかしまた同時に、市議会の皆さま方のご論議、ご意見を賜わりますとともに、一般的に市民の皆さん方からも、いろいろと市政についてのご関心をお寄せいただいております。現に昨年1年間におきましても、約2万8,600件の市民の声を私どものほうへいただいております。この市民の声に対する回答を通じ、またこの市民の声の中には、いろんな建設的なご意見が非常に多く寄せられておりますが、こういった市民の声でありますとか、あるいは300名に及ぶ市政モニターをお願いいたしておりますが、こうした方々のご意見、あるいはアンケート調査、世論調査等によって、市民の皆さま方のご意見、市民の声をできるだけ吸収し、施策へ反映をいたしたいと思っております。また、各種の大阪市の施設の見学会を実施して、たとえば清掃工場でありますとか、下水の処理場でありますとか、こういった施設の見学会も最近盛んに行なわれておりまして、多数のご婦人の方々、生徒、児童の方々のご参加もいただいております。また、公聴会、懇談会等を通じまして、私は、できるだけ市民の皆さま方のご意見が反映するように、今後努力をいたしてまいりたいと存じております。 次に阿倍野の再開発についてのお尋ねでございますが、この阿倍野地区は、商業と住宅とが混合いたしておる地区でございまして、土地の利用形態につきましても非常に細分化されております。また、建物も密集しておりますし、公共施設もまだまだ不十分でございます。さらに防災的な観点からいたしましても、早急な環境の整備が必要とされておりますので、私どもは、この阿倍野の再開発というものは、ぜひとも必要な施策であると考えております。昭和44年度から現況の調査、あるいは事業実施のための基本調査を行なってまいっておるところでございますが、今後ともいろいろ地域住民の皆さま方にはご意見がございます。しかし、そうした関係の皆さん方のご理解を得られるよう努力をしてまいりたいと思いますし、また、近々には現地に相談所を計画、地域内に開設して皆さんのご理解を深めて、できるだけ早期に事業に着手できますようにいたしたいと思います。また、事業計画、財政計画、完成時期等につきましても、現在、建設省その他関係の方面と打ち合わせ中でございますが、できるだけ早く都市計画決定ができるように持ってまいりたいと思っております。 次に、高速道路についてのお尋ねでございます。まず泉北線についてのご質問でございますが、ご承知のように、先般来都市計画審議会でご審議を願いまして、これに四つの付帯条件が付されて知事に答申されております。知事のほうから私どものほうへは、この都計審議会の付帯条件について、これが守られるかどうかという質問がまいっております。これに対して、私どもはこの関係いたします阪神高速道路公団でありますとか、あるいは国鉄当局と現在相談をいたしておりますが、基本的にこの付帯条件は、私どもは十分守ってまいりたいと考えております。なお、この泉北線についての基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、あるいは泉北線のみならず、高速道路一般についての基本的な考え方でございますが、私は、過密の都市問題を解決していく上から、また非常に混雑いたしております交通問題、こういった問題を解決していきますために、必要な高速道路の建設はぜひともやらなくてはならないと思っております。ただ、こうした問題につきましては、いろいろ関係の地元の地域住民の皆さま方にはご意見もございます。したがって、たとえばランプの取り付けとか、そういった問題につきましては、十分地元ともお話し合いをしてまいるべきものだと考えております。いまお話のございました松原線の問題につきましても、高速道路の工事の実施に際しましては、公団が地元の関係者の皆さんとご相談の上、工事に着手いたしてまいっておるわけでございますので、ご指摘の駒川ランプにつきましても、現在、地元の皆さま方との間に協議機関を設けて、協議中でございますが、引き続き協議をいたしまして、十分地元の皆さま方のご意向が反映して、事業が円滑に進みますよう公団を指導してまいりたいと考えております。 次に公害の機構についてのご質問でございます。公害の機構をさらに強化すべきであるというご意向でございますが、私もこの今日の公害行政の重要性については、加藤議員と全く同感でございます。ご趣旨のような方針に従いまして、先般来総合計画局にございました公害行政機構を環境保健局に移しまして、その強化をはかってまいったのでありますが、その趣旨は--私どもの市の公害行政の基本は、現実の監督指導行政の現実的な処理にあたることが非常に大きな仕事になっておりますので、したがって、第一線の保健所行政と切り離すことのできない行政でございます。そういった関係で保健所行政の統括にあたっております環境保健局にこれを一元化してまいったのでありますが、しかし加藤議員ご指摘のように、なお今後ともこうした機構については強化してまいらなくてはならないと思うのでありますが、その強化の方向といたしまして、私は、やはりこの第一線機関との連携の強化、また第一線機関の相互の連絡の強化、こういった面に重点を置きまして、これを機動的に運営してまいるために機動隊を設置する、これを充実強化する、こういった方向において、さらにご指摘のような強化をはかってまいりたいと思うのでございますが、機構の問題につきましては、さらに検討をいたしてまいりたいと考えております。 次に民生福祉の問題についてのお尋ねでございます。民生福祉の問題につきましては、だんだん国全体として社会保障制度が進んでまいりますが、しかし、そうした中でやはりどうしても現実に落ちこぼれる--全体的に向上してまいります社会福祉の恩恵に浴せられない恵まれない方々がいらっしゃるのでありまして、こうした方々に、落ちこぼれのないあたたかいご支援の手を差し伸べる、これが私どもとして一番大事なことではないかと思うのであります。したがって、総花的、こま切れであるというご指摘をいただきましたけれども、しかし、そのことはいま申しますように、各種の施策につきまして、落ちこぼれのないようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。ご指摘のように血の通った民生福祉の行政をというご指摘については、まさにそのとおりだと思うのでありまして、ご指摘のように今後とも努力をいたしてまいりたいと思います。なお、勤労青少年対策について、さらに将来の非常に重要な問題としてのご指摘がございましたので、今回の予算におきましても、相当の施策は講じてはおりますが、さらに一段と努力を進めてまいりたいと思います。 さらに社会教育の充実についてのご指摘でございます。ことに最近の若い女性のいたましい事件を例にとっての婦人教育の重要性、青少年教育の重要性についてのと指摘、私どもは、この問題については、新聞を見、テレビを見るごとに、ほんとうに心を痛める問題でございます。ことにお話のような若い婦人層における社会教養講座と申しますか、たとえば育児の問題にいたしましても、家庭の持ち方にいたしましても、こうした方面における教養講座といいますか、研修の需要というものは非常に高いと承っております。こうした方面における需要が非常に広範にかつまた強烈にあるわけでございますから、私どももできるだけこれに対応して、そうした施策を講じていかなければならないと存じております。予算がこれでは不十分ではないかというご指摘でございますが、今後ともひとつこういった方面につきましては、ご指摘のように努力をいたしてまいりたいと考えます。 次に、最近の経済情勢の問題と中小企業対策についてのご意見並びにご質問でございます。いわゆるスミソニアン体制の崩壊ということで、現在、国際通貨の問題は、非常な混乱の状態にございまして、今後これがいかように相なってまいりますか、ちょっと直ちには予測を許さない問題でございますが、いずれにいたしましても、今後のこうした国際経済、国際通貨の推移というものが、わが国、ことに大阪の中小企業の前途に及ぼす影響というものは、まことに大きなものがあろうかと存じます。ご指摘のようなこの問題の重要性につきましては、先般来も私ども経済局に命じまして、大阪の輸出業者、輸入業者、あるいは一般中小企業の現実に受けております被害と申しますか、そういった現状等、今後一体どういうふうになっていくであろうか、そうした予測について、経済局のほうで調査を始めておりますが、そうした調査とにらみ合わせ、一方、政府の今後とるべき施策とも相関連いたしまして、中小企業対策、遺漏なきように進めてまいりたいと思います。ことに当面、今後の中小企業というものがいかにあるべきかという根本問題はございます。しかし、その問題については非常に長期的かつ根本的な展望を要する問題でございまして、現在審議会等においてもご審議を願っておりますが、当面、いま加藤議員のご指摘の問題としては、金融の問題が非常に重要であろうかと思うので、現在ご提案申し上げております中小企業に対する金融施策と、さらにまた十分でない場合におきましては、政府の施策とも相関連いたしまして、ひとつ遺憾のないようにしてまいりたいと存じております。さらに、中小企業の指導センターの機構の問題、運営の問題についてのご指摘でございます。昭和43年に発足いたしたのでございますが、その後本市の中小企業の経営相談、経営指導にかなりの成果をあげておるとは存じておりますが、こうした行政については、今後ともさらに充実していかなければならないと考えております。ことに中小企業に対する情報サービス、その基礎になります調査、そういった方面においても、現在よりもさらに一そう充実してまいりたいと考えておりますので、今後ともひとつご指導を賜わるようにお願いを申し上げたいと存じております。 次に最近の大阪市の関連いたします建設工事の材料費の値上がりの問題についてのご意見並びにご質疑でございますが、ご指摘のように、大阪市が現在工事を発注いたします場合には、請け負い業者との間に契約書を取りかわしますが、その契約書の中に、いわゆるスライド条項と言われております条項がございます。これは、工期内に物価の変動その他の経済変動がございました場合におきましては、大阪市と請負い業者が相互に協議の上、請負い金額とか、工事の内容を変更できるという規定に相なっております。現在、関係方面からも、ただいま加藤議員がご指摘のようなご意見も承っておりますので、私ども市役所内関係当局におきましては、慎重に協議をいたしまして、また業界の皆さま方、市会の皆さま方ともよく相談をいたして善処してまいりたい、かように考えております。 次に、新世界の交通局の車庫あと地の利用計画についての問題でございますが、従来からこの車庫あとの利用の問題につきましては、地元の各方面からも、新世界全体の発展に役立つようなあと地利用を考えてほしいというご意向を、私ども受けております。その後、5カ年近く放置しておるんではないかというご指摘ではございますが、これは加藤議員もご承知のように、私はやはり、隣接いたします新世界の振興策と申しますか、新世界の将来と関連いたしまして、このあと地利用の問題は考えなくちゃいかんと思っております。そういった点で、この問題は非常にむずかしい問題でございます。しかし、ご指摘のようにいつまでもほっておくわけにもいかないと思いますので、これはひとつなるべく急いで--しかしあまり急ぎまして失敗いたしましてもあれでございますので、ひとつ慎重に検討いたしてまいりたいと存します。 次に、新庁舎の建設についてのご意見でございます。ご指摘のように庁舎が分散しておる、あるいは狭い、こういった点で市民の皆さまをはじめ各方面に多大のご不便をかけておりますし、またこの建物自体が構造的にもだんだん古くなって、十分とはいえない状況に相なっておりまして、昭和43年に、この庁舎建設基金の制度を設けまして、毎年お金を積み立ててまいっておりますし、また一昨年から市会の皆さま方にもご参加願いまして、庁舎問題の調査委員会を設置して、いろいろご審議を願っておるのでございます。しかし、庁舎建設の場所、規模等につきましては、いろいろとご意見もございますし、またいろいろむずかしい問題もございます。また、非常に多大の財政負担を伴う事業でございますので、これは、調査委員会のご意見を承りながら、各方面のご意見を承って慎重に対処していかなければならないと考えております。しかし、市会の各方面の皆さま方、また市民の各方面のご意向によりまして、この問題、いずれは何らか措置を講ずべき問題であるわけでございますから、しかりとすれば、なるべく早くこの措置をすることも必要ではないかというご意向も強いのであります。私も非常にこの問題に関心を持ちながら、率直に申しまして、いずれどういうふうに持ってまいりますか、判断に苦慮をいたしておる問題でございますが、この問題、調査委員会の皆さま方のご意見もお聞きしながら、市会の皆さま方とよくご相談してまいりたいと考えております。 次に合区の問題についてでございますが、先般の審議会におきましては、分区、合区両面につきましてのご答申をいただいたのでございますが、とりあえず分区を実施いたしたのでございます。合区につきましては、それぞれの区の長い歴史や伝統、あるいは住民の感情、あるいは理屈を越えた問題もございます。合区の必要性につきましては、今後さらに時間をかけて住民の皆さま方のご理解を深めていかなければならないと存じます。ことに具体的には、今回の分区によって発足いたします新区における町づくりをできるだけモデル化することによりまして、住民の皆さま方に具体的な姿で強く印象づけるというようなことも必要であろうかと思います。住民の皆さま方の合意が得ることができますように、今後とも努力をいたしてまいりたいと存じます。 次に水資源の問題、これは非常に重要な問題でございますが、琵琶湖の汚濁の問題についてのご意見--ことに正月、近畿地方建設局が琵琶湖の将来の水質の問題についての中間報告をいたしております。これによりますと、何ら手を打たないで現状のまま推移いたした場合においては、琵琶湖の汚染というものはたいへんな問題である、したがって、下水道の整備、ことに下水の第3次処理の必要性を強調し、提言をいたしておるところでございますが、私どもも、この琵琶湖の水の量、質の将来の問題につきましては、加藤議員ご指摘のように、非常に重要な問題だと考えております。今後の大阪市の水資源の問題といたしましては、この琵琶湖の問題、あるいは紀の川その他の水系の問題、あるいは下水の汚水の処理によりまして--高級処理によりまして工業用水の原水を満たし、この工業用水の原水を飲料用水に回し得るという可能性も含んでおりますので、非常にむずかしい問題でございますが、各方面について努力をいたしてまいりたいと考えております。 最後に地下鉄の将来の府下延伸計画と経営主体の問題でございますが、この問題につきましては、大阪市を中心といたします大阪府下、あるいは隣接府県に対する鉄軌道全体の延伸計画、拡張計画というもの、これは交通審議会において審議される問題でございますが、その審議決定されてまいります全体の鉄軌道計画の中で、どの部分を大阪市の地下鉄が受け持ち、私鉄が受け持ち、国鉄が受け持つか、これはだんだん相談してきまってまいる問題でございますが、これは私は、やはり従来、長年の経験を有する大阪市交通局が主体となるべきものだ、かように考えておる次第でございます。 なおその他の問題につきましては関係局長からご答弁申し上げます。 ○議長(辻昭二郎君) 18番加藤進君。 ◆18番(加藤進君) わが党自由民主党の昭和48年度の予算の質問に対しまして、市長のただいまのお答えは、なるべく早く措置する、検討する、これはむずかしい問題であるということのみでありますが、これは、われわれ自由民主党の所属議員が、所属の委員会において十分なる資料をもって追及いたしてまいりたいと思います。 そこで、先ほど私が申し上げました阪神高速松原線駒川ランプのことについてお尋ねしたいと思います。すでに市長も総合計画局長もご承知のとおり、昨年新聞に発表されたとおり、阪神高速道路公団南理事が、われわれ地元議員並びに地元の商店街、または期成同盟の方々に工事を中止するという約束をはっきりと持ってきておる。それにもかかわらず、市長は、今後十分話し合いたい--いままで話し合ってきたら、こういうことはないんです。大体こういうような状態が起きてくるということは、総合計画局長も、当初の線引き計画にずさんと甘さがあったのではないかと思います。このように中止されるのなら、初めから計画はしないほうがいいです。この点、総合計画局長のお答え次第によっては、私は再々質問に出さしていただきます。また、この駒川ランプウェイの工事の中止に伴い、地下鉄2号線の地上駅の入口並びに現在までに、土木局の路線の認定と、いろいろ問題がありました。いまここに項目別に申し上げてみます。この阪神高速道路公団、こういう線引き計画をするまでに、1.都市計画決定、2.路線の認定、そして、3.自動車道路の指定、4.基本計画の指示、基本計画、それから都市計画事業承認、工事実施計画書、認可。ちようどただいまは、この工事実施計画認可のところでとまっておるわけです。もしこの工事を中止するなれば、もとの第1の都市計画決定のところに振り出しに戻って、このランプウェイの計画を変更なさるおつもりはあるのかないのか、市長と総合計画局長に、責任ある回答を求めます。また、先ほど申し上げましたように、地下鉄の入口--土木局においては、この駒川ランプウェイの中止に基づいて、どのように影響し、そして関連があるのか、交通局長並びに土木局長にもご返答をいただきたいと思います。これを見ていただきたいと思います。市長、これはね、阪神高速道路公団が、地元のわれわれに示して、このようにやるという--このような複雑なものを商店街のどまん中に、住宅街のどまん中に、交通量の激しいところへこのような計画を示しておきながら、いまさらこのように、南理事が中止の確約書をわれわれに持ってきたのであります。以上申し上げたように、総合計画局長と市長の明快なるご返答をいただきたいと思います。また、これによって、今後これが工事中止になれば、今後、泉北線にもいろいろと及ぶこともひとつご明確に願いたいと思います。 ○議長(辻昭二郎君) 大島市長。 ◎市長(大島靖君) 駒川ランプの問題につきまして、地元におきまして各種のご意見、ご意向があること、私どもも承知をいたしております。しかし、私どもといたしましては、松原線の高速道路の建設は必要だと考えております。したがって、先ほど来申し上げておりますように、地元の皆さま方とも十分お話し合いを進めて、できるだけご意向を組み入れさせていただきまして、事業が円滑に実施のできますようにつとめるよう、公団を指導してまいりたいと考えております。 ○議長(辻昭二郎君) 寺田総合計画局長。 ◎総合計画局長(寺田久彌君) 高速道路大阪松原線の駒川ランプの問題につきましてご答弁申し上げます。ご存じのとおり、大阪の内環状から大阪市の東南、あるいは羽曳野方面に行きます大阪の、いわゆる交通麻痺を緩和し、交通事故をなくすための幹線道路でございまして、計画としてはぜひ必要なわけでございます。ただ、駒川ランプの問題につきましては、いま議員のほうから申されましたとおり、種々地元と協議をいたしております。大阪市の総合計画局、阪神高速道路公団の計画部、大阪府の土木部、地元の商店街の代表等で協議機関を設けまして、種々多年にわたり協議中でございます。問題になります点を申し上げますと、地元の要望といたしましては、アーケードの設置、地下鉄の駒川駅に関連いたします地下道の設置、あるいは歩道橋の設置、次に地元の商店街で使います高架下の駐車場の設置、次に柴谷平野線の線形の改良、歩行者優先のために線形を改良してほしい、次に側道の幅員を歩行者のために広くしてほしいという問題でございます。アーケードの問題以外につきましては、阪神高速道路公団のほうで努力いたしまして、できるだけ早急にこれをやる計画になっております。ただ、アーケードの問題につきましては、阪神高速道路公団自体の事業ではできませんので、大阪市あるいは大阪府と協議しながらアーケードをつくっていきたいということでございますので、いま議員のほうからお示しになりました南理事の誓約書と申しますか、確約書につきましては、以上の点につきまして、合意に達するまで中止いたしますということは、着手しないということでございますが、Aの点を除きまして--アーケードの点を除きまして、ほとんど合意に達しておるように、私は聞いております。したがいまして、アーケードの問題を詰めますれば工事にかかるということでございます。ただ、議員から申されましたように、いま工事実施計画書が出ておりますが、これにつきましては、設計上適当だと認めますれば、私のほうで許可する用意がございます。もとの計画決定の段階までかえる所存はございません。 ○議長(辻昭二郎君) 18番加藤進君。 ◆18番(加藤進君) ただいま総計局長はアーケードの問題と言いましたが、このアーケードの問題のA項。A項です、これは。A項は、オフランプは一部--私の先ほどの質問の中にありました一部というのは、このオフランプは認めるがというものです。これは地元との、最初の期成同盟と阪神高速道路公団との交渉の中にあった文章です。ただし、この駒川のオンランプが問題なんです。オンランプの工事については、上記要求条項AからEと入っておるんです、ちゃんと。AからEと、ちゃんと入れておる。あんた、読んでみなさい。AからEは工事を中止いたしますと、はっきり載しておる。私は、オフランプのことは言うておらぬ。オンランプです。もう一度ご返答願います。 ○議長(辻昭二郎君) 寺田総合計画局長。 ◎総合計画局長(寺田久彌君) ご答弁申し上げます。先ほど私が読み上げましたのがAからEまででございまして、Aがアーケードの問題でございます。BからEの4項目につきましては、先ほど申しましたように、阪神高速道路公団、大阪府、大阪市、地元で種々協議をいたしまして、ただあと細目の点につきましては、まだ合意に至っていない点がございますが、大体、基本的にこれができる見込みがあるという報告を聞いております。Aの問題につきましては、オンのランプの問題もございます。大阪府、市で協議しながら、阪神高速道路公団とともに、このアーケードの問題は解決していきたいということでございますので、できるだけ早急に解決していく所存でございます。 ○議長(辻昭二郎君) おはかりいたします。 この際暫時休憩することに決してご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(辻昭二郎君) ご異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。   午後0時24分休憩   午後1時36分再開
    ○副議長(吉田弘君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 先ほどの加藤君の質疑に対する理事者の答弁を許します。近藤土木局長。 ◎土木局長(近藤和夫君) お答えいたします。ご指摘がございました駒川地下鉄駅周辺の平面道路の整備につきましては、歩行者の安全対策さらにまた商店街と駅舎との連絡の利便等を十分配慮いたしまして、環境整備に万全をはかるよう措置いたしたいと存じております。 ○副議長(吉田弘君) 長澤交通局長。 ◎交通局長(長澤滋君) 先ほどの加藤議員のご指摘は、駅への通路の問題かと思いますが、この問題につきましては、私どもといたしましても、地域住民の方々の利便と安全対策を十分考えまして、関係当局と相談の上決定してまいりたい、そのように考えております。 ○副議長(吉田弘君) 次に内村作二君の質疑を許します。32番内村作二君。 ◆32番(内村作二君) 私は日本社会党大阪市会議員団を代表し、ただいま上程されております昭和48年度予算並びに関連諸案件について大島市長並びに理事者各位に質疑を行ないます。 大阪市は経済の成長、積極的な町づくりにより、西日本における経済、文化の中枢都市としての役割りを果たしております。しかし住民にとっては過密と公害、交通難と災害など、生活環境の悪化に悩んでおります。これら深刻な都市問題はGNP第一主義を取り続けてきた自民党政府と、これに直結する独占資本、大企業の責任と言わなければなりません。大島市長はこのような大阪市の現状を踏まえ、市長就任2年目を迎え、市民が人間性を取り戻し、健康で豊かな暮らしができる生活環境の整備を第一とする7項目の重点施策のもとに、一般会計3,884億円余、特別会計5,275億円余、合計9,159億9,500万円の積極予算を編成しております。特に一般会計においては公園費が68.3%、民生費44.6%、環境整備費41.3%、住宅建築費33.8%など、前年度に比べてそれぞれ増加をいたしております。歳出の構成割合を見ても、民生費が16%、教育費12%、住宅建築行政費が11%を占めたことは、市民生活重視、福祉優先の革新的積極予算としてわが党議員団は高く評価をいたすものであります。しかしながら生活環境の改善と、福祉の向上を求める市民の強い要望、革新市長への勤労市民の期待からすれば、自民党政府の貧困な都市政策と相まって、まだまだ不十分と言わなければなりません。したがってこれら市民の強い要望と、深刻な都市問題を解決するためには、大都市の財政需要を満たす財源が必要であります。本年度予算案を見ても、自主財源である市税収入は、一般会計3,884億6,100万円中わずかに32%の1,380億円しかありません。残りの68%--2,500億円以上が交付税、補助金、起債などに頼っておりますが、はたしてこれは満額獲得できるかどうか、また、市税収入見込みも、最近の国際通貨の不安、予想される円の再切り上げからして、はたして47年度に比べ21%増の予定の収入が達成できるのかどうか、お伺いをいたします。またすでに言い尽くされた感じがいたしますが、大都市財源の充実、特に税制の改正について10年前より、大阪市は議会、理事者が一体となり、他の都市とも相携えて、大都市税源の拡充と不合理な現行税制の改正に猛運動を続けてきたことは、ご承知のとおりであります。すなわち現在の市町村税制は、法人所得課税の配分がきわめて少なく、また、都市における人口の流動によって、もたらされる消費活動などを反映する消費税、流通税もほとんど与えられておりません。たとえば昭和45年の国勢調査においては、市内居住人口は298万人ございますが、昼間人口は386万人と約88万人が市外より流入し、現在は100万人に達すると考えられます。これらに要する環境、交通、清掃など、大阪市が負担をしている費用は、ばく大なものがあると思います。その上、政令都市では府県から委譲された、いわゆる16項目の委譲事務に要する費用が、大阪市の場合97億円に達するにもかかわらず、これらに対しては何らの財源措置がいまだになされておりません。このことは税の配分を見ても明らかであり、46年度に大阪市域内で納められた税金9,756億円のうち、大阪市税の占める割合は、11%の1,090億円にすぎません。一たん国税や府税として納められた地方交付税や、国、府補助金などの形で大阪市に還元されるものを含めても合計2,032億円で、わずか20%にすぎません。また昨年3月、本市会においても大都市財政危機打開に関する意見書を議決し、市民税法人税割りの税率の引き上げ、消費流通税などの配分是正、中小企業に負担をかけない事務所、事業所税の創設を主張したところであります。聞くところによりますと、ただいま開会中の国会は、これらを実現する絶好の時期と承っております。いまこそ広く市民に訴えるとともに、議会、理事者ともども強く政府、国会に働きかけるべきだと思いますが、大島市長の決意をお伺いいたします。 次に歳出では、まず第1に市長は、健康で快適な生活環境づくりを本年度予算編成の第1にあげ、公園予算を前年度33億44万円より、48年度は56億24万円、68.3%増を計上していることは、まことに喜ばしいことでありますが、他方、大阪市の現状は、市民1人当たりの公園面積は1.6平方メートルであり、国の定めた大都市における1人当たりの公園面積の基準であります3平方メートルには、はるかに及ばない現状であります。また国の都市公園整備5カ年計画すなわち昭和47年より51年までの整備目標では、一小学校下に三つの児童公園をつくる計画であると言われております。しかるに大阪市内の小学校下で、一つも児童公園のないところが64カ所もあります。また、各区におけるアンバランスもひどく、最低の生野区は1人当たりわずか29平方センチメートル、西成区においては37平方センチメートルしかありません。現在の市民1人当たり1.6平方メートルも、公園の造成もさることながら、市内から流出した人口の減少に助けられた一面があることを忘れてはなりません。市長はこのような大阪市の現状の中で、国の5カ年計画とも関連させながら、当面国の定めた市民1人当たり3平方メートル、一小学校下平均3カ所の児童公園、各区のアンバランスなどを、いつの時点で、いかなる年次計画によって達成しようとしているのか。またマスタープランにより、快適な市民生活ができる公園面積、すなわち昭和65年の目標は、市民1人当たり7平方メートルの公園を今後どのように建設しようとしているのか、承りたいと思います。 次に日本経済の急激な発展、国民総生産世界第1位の伸長率とともに、国民の健康と世界各国よりエコノミックアニマルと批判を受けつつある立場からも、週休2日制は時間の問題となってまいりました。また、国民生活の向上、生活文化の向上から生じた余暇の利用、過密と公害からのがれ、失なわれた自然を求め、いこいを求める勤労市民、とりわけ青少年はレジャーを求めております。しかるに国と自治体のこれらにこたえる施設はきわめて貧困であります。大阪市内では天王寺動物園、大阪城公園、長居公園くらいしかありません。そのほとんどは利潤追求の商業資本にゆだねられております。核家族化の進行、親子の断絶、隣近所とのコミュニティの不足、これらの解決のためにも隣近所が誘い合い、親子連れ立ち、職場のグループが一緒になって散策し、フットボールをたのしみ、お弁当を一緒に食べられるようないこいの場を市内に持つことは、きわめて必要と思います。市長は新年度予算において、大阪城公園に野球場、長居公園にラグビー、サッカー場の用地買収、毛馬桜之宮公園にボートハーバー、四季おりおりに花の咲き乱れる美しい花の公園、梅林、フジの庭、ツツジの山などを計画されておりますが、これは新設される自動車道路と連絡されるなら、きわめて好評を博するものと思います。しかしコミュニティを取り戻し、家族団らんの場としては、もっと規模も大きく、総合的な配慮のある施設でなくてはなりません。大阪城公園、長居公園、鶴見緑地はそのような構想のもとに造成されるべきだと思います。特に鶴見緑地は、計画面積161.9ヘクタール、用地買収済みが約100ヘクタールとお聞きをいたしておりますが、昨年好評のうちに開設されました市民園芸村も含めて、現在の供用面積は12ヘクタールにすぎません。鶴見緑地こそ市民のいこいとコミュニケーションの場、スポーツなど、多様な市民の要望にこたえるものでなければなりません。市長は今後どのような年次計画でこれを完成し、どのような内容のものをつくるお考えか、お尋ねをいたします。また新年度予算に計上されている大阪城太陽の広場に設ける野球場は、長年この広場を大阪における生産のにない手である労働諸団体のメーデーの広場として使用されてきたことは、周知の事実であります。今後も引き続きこのような労働者の祭典に使用できる設計がなされているのかどうか、見解を承りたいと思います。また、故中馬前市長は、就任間もなく緑化100年宣言を発表し、コンクリートと鉄のかたまりとも言える大阪の町に緑化植樹を積極的に推進してまいり、来年は特に10周年を迎えるものと思います。この運動は今日の都市問題解決のためにも、さらに飛躍発展されるべきものと思います。この点、中馬市長に比べ意欲が少ないのではないかとの声もありますが、大島市長はどうお考えか。10周年を迎えるにあたって、計画とご見解を承りたいと思います。 次にマスタープランの改定についてお尋ねいたします。すでに市長は昨年8月、大阪市総合計画審議会に対し、現行マスタープランの再検討を依頼し、その後たび重なる審議を続けております。昭和42年策定された本市総合計画は、第1に西日本の経済中枢都市としての機能を高め、第2に良好な生活環境を求めて策定されたものでありますが、急激な都市事情の悪化は、言うまでもなく自民党政府とこれに直結する独占大企業の責任でありますが、これをのがれ、大阪市内からより快適な生活を求めて住居を市外に移し、現在すでに280万人台と予想されております。わが党議員団は、今回改定される総合計画は、まず第1に人間尊重の都市づくりを基本にして、経済中枢都市機能を第2とし、シビルミニマムを盛り込んだ、広く市民の英知と世論を織り込まなければならないと考えております。市長は現在進められている審議の過程に、どのように市民の意見と協力を織り込むお考えか、また、いつごろ結論を出し、市長自身はどのような考え方で対処しているのか、お尋ねをいたします。特に昭和44年に追加された地方自治法第2条第5項は「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行なうようにしなければならない。」とありますが、審議会の結論が出た場合、前回は議会の議決を経ていないが、今回は市会の議決を経る考えかどうか、お尋ねをいたします。 次に、申し上げるまでもなく、世界経済は今日まで支配してきたドルの不安定から、国際通貨の危機となってまいり、先般10%のドル切り下げが行なわれまして、わが国においても、円の変動相場制が採用されたにもかかわらず、本年に入って外国為替市場の閉鎖が現在EC諸国はもちろんのこと、日本においても行なわれております。特にアメリカをはじめ西ドイツ、イギリスなどEC諸国は、国際通貨危機の原因を円の強さとし、一昨年の円切り上げに引き続いて再び大幅な再切り上げを要求しており、その実施は時間の問題となってまいりました。輸出の一方的伸びと輸入の伸び悩み、あり余る外貨、これは前回の円切り上げから無為無策に終わった自民党政府の責任であり、一地方自治体である大阪市としては、いかんともしがたい問題ではありますが、大阪における輸出関連中小企業とその従業員に対し、大きな影響を与えることが懸念されております。市当局はこの通貨危機の背景をどう考え、また大阪の中小企業ではどのような影響があるのか、お尋ねいたします。先般、変動相場制の移行に伴い、10億円の緊急融資対策を本市は決定をいたしましたが、これだけでは不十分ではないかと考えます。為替差損より直接影響を受ける中小企業に対し、金融上、税制上の特別の配慮をするよう国並びに大阪府に要請をするとともに、本市としても一そうの救済策を講ずべきだと思いますが、市長の見解をお尋ねいたします。また市長は、消費流通対策として、中央卸売市場、東部市場の拡張、駐車場建設に26億7,800万円、食肉市場・と畜場の整備に2億7,600万円、消費者に対するテレビ、テレフォンサービスなどによる情報提供、小売市場の整備と助成に合計2億7,300万円などを計上しておりますが、流通機構の整備改善としては成果はあったと思いますが、今日市民が最も悩んでいる日常生活に直結した物価の安定策としては、どれだけの成果があるのか疑問に思わざるを得ません。特に最近問題となっている一部商業資本が、資金力にものをいわせ、大量買い占めによる物価つり上げの影響が出ており、政府においても不当買い占め、売り惜しみ規制の法案などが研究されているが、中央卸売市場、食肉市場などでは、このような意図的な物価つり上げの事実はないのかどうか。逆に市民に安価に提供できるような卸売市場の機構改革はできないのかどうか、お尋ねをいたします。 次に中小企業融資の改善として信用保証料引き下げ、融資期間の延長、無担保融資の限度額を300万円、小企業事業資金の限度額を200万円に引き上げたことは評価できるものでありますが、いずれも1年以上市内で事業を継続していることを条件としており、定年退職者など新しく事業を行なおうとする者にとっては、本市の融資は受けることができません。これら新規事業者のために、新しい制度はできないかどうか。また国の中小企業近代化設備事業資金は無利子、5カ年の分割払いと承っておりますが、中小企業近代化に大きな役割りを果たしております。しかし現在大阪府を通じてのみ貸し出しをしております。大都市としての本市で取り扱うことはできないのかどうか、お尋ねをいたします。 次に市長は、中国貿易の促進を目ざして500万円の予算を計上されております。待望の日中国交が昨年回復いたしましたのを契機に、今後両国は貿易のみならず、経済、文化の交流を一そう促進し、両国人民の友好と理解を深めなければなりません。大阪は戦前から中国との貿易を通じ、中小企業は繁栄していたとも言われております。すでに大阪港に中国貿易専用の埠頭を設け、先般は福山助役が訪中して大阪港の利用をはじめ、貿易拡大の話し合いをされたと承っております。また来年、万国博覧会場あとにおいて中国博覧会が開催される動きが大阪の経済界を中心にして進められておりますが、単に貿易拡大を望む財界中心の博覧会では困ると思います。経済、文化、芸術など、両国人民の相互理解と友好、繁栄を促進すべき内容でなければならないと思いますが、その経過と市長の見解をお尋ねいたします。またこの際、中国との一そうの友好と貿易の拡大、中国博覧会などの問題について、市長自身が議会の代表も含めて訪中するお考えがないのかどうか、承りたいと思います。 次に行政区再編成に伴う問題についてお尋ねいたします。すなわち再編成のうち、最も実現可能な分区について昨年11月条例を可決し、48年3月1日新区名の議決を見たのであります。市長は48年度予算に新区4庁舎の建設費として22億1,900万円並びに保健所4カ所の建設費として2億9,900万円を計上されておりますが、はたしてこの程度で満足するような住民サービスができるのかどうか。また分区により設立される4保健所は、いまだ厚生省の認可を受けていないと承っておりますが、認可の見通し並びに業務遂行に支障はないのかどうか、お尋ねをいたします。また、かねて市会が要望いたしておりました他の行政機関、警察、郵便局、消防署などの建設はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。区民サービスの向上には特に有能な区役所職員が必要と思いますが、これに対応した定数条例の改正が当然必要であり、新規採用、研修など、受け入れ準備は遅滞なく進められているのかどうか。同時に旧区と新区との公共施設のアンバランスの是正、周辺区としての再開発の発展策を強く要望いたしておきます。 次に新年度の重点施策である福祉対策についてお尋ねをいたします。市長は心身に障害のある最も恵まれない人々のために、47年度の15億7,300万円から48年度は一挙に27億700万円の予算を計上し、49年1月から重度障害者(児)の医療費公費負担制度、心身障害者リハビリテーション施設の建設準備、大阪市立精神薄弱児通園施設など六つの新規事業を計画していることは、おくればせながら恵まれない人たちに対する積極姿勢のあらわれであり、われわれの強い要望を受け入れたものとして、意を強くするものであります。特に障害児の場合、親は何とかなおしたいの一心から相談に行っても、いろいろな施設や病院をたらい回しにされることが非常に多いというのが実情であります。したがって総合的な施設、相談から診察、治療、機能訓練まで、一貫してできる施設が必要であり、またこれら施設は交通の便を最重点に考えることが必要であります。今回1,000万円の調査費が計上されている心身障害者リハビリテーションは、これらの要請にこたえる内容のものであるのかどうか。また、規模と完成をいつにするのか、お尋ねをいたします。 今日、老人問題は核家族化の進行、寿命の伸長、おくれた社会保障、敬老精神の問題など、日本の最も大きな社会問題となっております。市長は47年度老人対策費35億円に対し、48年度2.1倍の84億8,700万円の大幅な老人対策費を計上しておりますことは、まことに喜ばしいことであります。また老人医療費67歳までの引き下げに伴う医療費64億円を計上しておりますが、わが党議員団は少なくとも65歳までの引き下げ、乳幼児3歳までの医療費公費負担を予算要求しております。すでに乳幼児については名古屋市は1歳まで、神戸市、札幌市は0歳までの医療費無料化に踏み切っております。大阪市もすみやかに英断を下すべきであります。大島市長のご見解を承りたいと思います。 次に、老人福祉センター、老人いこいの家を本年度20カ所計画し、いこいの家建設補助金を現在の300万円から400万円に引き上げ、運営助成金5,000円を1万円に引き上げておりますが、いこいの家の維持運営には、少なくとも月2万円は最小限必要であります。できるだけ早い機会に運営の実態調査を行ない、老人の利用度の高いいこいの家に対しては、適当な相談員などを常置していくなら、さらに効果があがるものと期待いたすのであります。 次に、市立保育所は近来勤労婦人が年々増加する時代の動向の中で、市立保育所入所希望者が増大しております。しかるに本市の収容能力は、申し込み者のわずか半分しか収容できない見込みであります。市長は本年度15カ所の建設の予算を計上しておりますが、今後どのような年次計画を立てて保育所を建設し、保育のニードにこたえるのかどうか、お尋ねをいたします。 次に民間社会福祉施設職員の処遇改善の助成として2億3,000万円を計上し、これら施設で献身的に働く職員の待遇改善のため、いままでの1人当たり助成年額2万1,600円のほかに、年間これにプラスして1人当たり8万4,000円を助成することになったことは、まことに喜ばしいことでありますが、この制度の趣旨からして、全額を職員に還元すべきものと思います。民生当局のお考えをお尋ねいたします。 次に教育関係についてお尋ねいたします。長い間の念願であった義務教育費の父母負担解消は、昭和43年から46年までの4カ年計画で終了することになっていたが、実際には暖房費をはじめその後の物価上昇、教育の質的向上によりなお残存しているのではないか。48年度41億8,500万円を計上しておりますが、これで完全に解消しているのかどうか、お尋ねをいたします。施設面では79億4,800万円、47年より約10億円増を計上し、周辺部社会増並びに木造校舎増改築として、前年より42教室増の848教室、講堂の増改築17校、プール整備などを計画しておりますが、今後周辺部社会増並びに過密校の分離を含め、小学校、中学校それぞれ何校の新設を行なわなければならないのか。また、木造校舎はいつの時点でどのように解消するのかお尋ねをいたします。また、航空機騒音防止11校園、交通騒音対策108教室の整備費として12億6,100万円を計上しておりますが、今後それぞれ対策を要する学校並びに教室は、どのような計画で解消するのか、お尋ねをいたします。 次に、市立高校施設の整備費として、23億1,300万円、債務負担行為とあわせて39億5,000万円を計上しており、前年の4億1,800万円と比較いたしますと、格段の伸長がありますが、内容を分析いたしますと、東高校、東商業の移転用地17億円を含むものであり、すでに老朽化した本市市立高校20校の施設を考えますと、高校教育が義務教育化された現在、府立高校との格差を詰めるためにも、抜本的対策が必要であると思います。大阪市立高校に対する市長のご意見をお尋ねいたします。 次に、大阪における大気汚染は発生源対策が効果をあげ、最悪時の昭和41年の硫黄酸化物年平均0.074PPMが、46年には0.054PPMに減少し、47年度は国の基準である0.05PPMを確実に下回る見通しと言われ、降下ばいじん、浮遊粒子は最悪時半減すると言われております。しかし窒素酸化物は上昇の傾向にあり、一酸化炭素などは依然横ばいを続け、光化学スモッグ発生の危険はたえません。このことは発生源対策たる自動車の規制が何らなされていない証拠であり、交通事故、交通麻痺対策とあわせて自家用車の市内乗り入れを規制すべきではないか。また、東京都のように、公用車の無公害車採用に踏み切るべきではないか、市長の見解を承りたいと思います。 次に、公害被害者救済の指定地域の問題でありますが、昭和44年公害にかかる健康被害の救済に関する特別措置法に基づき、西淀川区が国の指定を受け、その後順次増加をして現在全国で10市に達しておりまして、本年秋には堺市、大牟田市の2市が追加指定されると聞いております。昨年の6月には大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律が制定をされ、公害にかかる企業の無過失責任が規定をされました。また、硫黄酸化物、窒素酸化物の環境基準がそれぞれ現行の0.05PPMから24時間値0.02PPMに引き下げられる見通しが強くなってまいりまして、西淀川区が指定をされました昭和44年当時の情勢と、大きく情勢が変化したと言わなければなりません。いま西淀川区以外でも大気汚染による公害と思われる患者はどれくらいと推定されるでしようか。指定地域を拡大し、これら公害に悩む市民を救済すべきであります。このことは公害被害者救済に関する大阪市の基本姿勢にかかわる問題であります。大島市長はこういう情勢の変化の中で、どのようなお考えを持っているのか、お伺いをいたします。また西淀川区において、公害被害者と認定されている者は2,720名とお聞きをいたしておりますが、これらの方々を含め、全国的に生活保障や損害賠償制度を設けるべきとの要請が強まっており、当然な要求であります。国においても公害にかかる損害補償制度を49年4月を目途に創設すべく準備中と承っており、川崎市、尼崎市においてはこの制度が発足するまでの暫定措置として、関係企業から拠出を求め、現在の医療手当制度に加え、これに上積みする制度を実施しつつあります。西淀川区は中小工場の密集地であり、実施に困難があると思いますが、大阪市も何らかの方法において、国が実施するまでの暫定措置を早急に実施すべきだと思います。市長のご見解をお伺いいたします。また、公害をなくし、快適な生活環境をつくり上げるためには、現在と将来起こるであろう公害を事前に防止するとともに、残り少ない大阪の自然と環境を保護する必要があります。公害は広域的なものであるから、国の法律と大阪府公害防止条例で十分対処できるというのが今日までの理事者の態度であったが、本市においては本市特有の歴史と文化、自然があります。公害に悩まされている川崎市においては、昭和47年3月、公害防止条例を制定し、改善命令に従わない事業者の発展並びに工業用水停止の制裁などをきめております。本市もこの際環境保全と公害防止条例を制定し、公害に立ち向かう基本姿勢を明らかにすべく、わが党議員団は要求します。市長の見解をお伺いいたします。 次に、小児ガン、慢性じん炎、ネフローゼ、小児ぜんそくなどの公費負担、3歳児、乳児、妊婦健康診断などの制度ができたことは評価をいたしますが、これら難病治療のため長期入院中の児童、生徒が安心して療養できるためには、病院に養護学級を併設すべきであります。大阪市教育委員会は、昨年住吉市民病院に設置をいたしましたが、本年も引き続き他の病院に設置するお考えがあるかどうかお尋ねをいたします。環境保健局は妊婦の相談、異状の早期発見、難産、未熟児などの専門病院として今宮市民病院を母子保健センターとして改装中でありますが、本年9月の診療開始予定には出産ベッド24床、未熟児12床と承っております。これでは母子の専門病院とは言えないと思います。すみやかに用地の拡張をはかり、第2期工事に着手すべきであると思います。また、週休2日制は現実の問題となりつつあります。子供の急患などでたいへん困っている事例をしばしば耳にいたします。市当局は医師会などと協議し、これらの対策を早急に確立すべきだと思いますが、ご見解をお尋ねいたします。 最後に交通、水道など公営企業は、市民の足を確保し、人間生存に一日も欠かせない水を供給するきわめて大事な事業であります。 水道料金改定、また、交通事業に対するいままでにない国の助成があるとはいえ、悪化する都市事情の中で、経営の困難はさらに引き続くものと考えられます。これらを市民サービスの第一線に立つ職従業員に一方的に押しつけてはなりません。特に交通労働者に対する47年度賃上げ分が、本予算に計上されていないことはきわめて遺憾であり、早急に対策を立てるべきであります。交通、水道両局理事者は、困難な事情を乗り越え、事業の健全な遂行と、市民サービスの向上に一そう努力することを要望いたします。なお本予算案に対する詳細な質疑は、各委員会におけるわが党議員団の審議にゆだねることにし、社会党を代表する私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田弘君) 理事者の答弁を許します。大島市長。 ◎市長(大島靖君) 内村議員のご質問にお答え申し上げます。 まず最初に今回ご提案申し上げております48年度当初予算の歳入の問題について並びにその基礎にございます大都市税財政問題についてのご質問にお答えを申し上げるわけでございますが、今回の歳入の見通しにつきましては、ご承知のとおり地方税法の改正に基づきまして、個人市民税の減税でございますとか、あるいは電気ガス税の減税総じて40億円程度の減収が見込まれるわけでございます。 これに対して固定資産税の引き上げ等の問題もございますが、そういった地方税法の改正に基づく歳入の減少と、若干の増加並びにご指摘のとおり今回の国際的な通貨問題に基因いたします今後の日本国内の経済変動から参ります歳入への影響の問題、この問題は今日なお予測を許さない問題でございますが、やはり相当な影響も予期せられますので、法人税割り等の収入見込みについては、かなり低目に見積っているつもりでございます。歳入の根幹をなします交付税の問題あるいは国庫補助金の問題、起債の問題、この点につきましては、私ども十分配意をいたしまして、これが実現を期してまいりまして、総じて歳入の面における現実の確保に努力をいたしたいと考えております。さらにその基本にございます税財政問題につきましては、もう従来から市会全議員の皆さま方に非常なご関心をいただき、また非常なご努力をいただいているところでございます。大阪市の予算の中における税収入の割合を見ましても、昭和35年ころは56%程度、すなわち半分以上の割合を占めておりましたのが、現在ことに今回の48年度の当初予算におきましては35%、約3分の1に落ちてまいっているといったような地方税ことに市町村税制の貧困、またご指摘のような大都市における流入人口の非常に大きくなってまいりますような点、こういった大都市の最近における異状な過密状況、こういった諸点を総合いたしまして、現在税制審議会において各種の国税と相並んで地方税問題が検討されているところでございます。ご指摘のように引き続き私ども理事者だけでやっているのでは、なかなか、はかがまいりませんので、ぜひともこれは市会の皆さま方のお力を得まして、国のほうへ強く働きかけをいたしてまいりたいと思う次第であります。 次に公園の整備の問題並びに緑化問題についてのお尋ねでございますが、私どもといたしましては、今回の予算の一つの大きな重点といたしまして、公園の拡充ことに児童公園の大幅な拡充を大きな重点施策といたしたつもりでございます。大体私どもといたしましては、5カ年計画をもちまして、51年度末には市民1人当たりの公園面積を、都市公園法、法律で規定いたしております標準公園面積の3平方メートル以上にいたしたい。また、一小学校下における平均3カ所の児童公園の確保はぜひとも行ないたいということで、48年度におきましては、児童公園を65カ所新たにつくるという予算を提案申し上げている次第であります。さらにマスタープラン、将来の計画といたしましては、できるだけたくさんの公園をつくりたいのでございまして、今日7平方メートルという数字もございますが、できるならば9平方メートルまで持ち上げたい。しかしそれには何と申しましても、早期に大量に市有地、公有地をもっともっとふやさなければならないと思うのでありまして、そういった意味合いにおきまして、今度土地開発公社の発足も見たのでございます。これは計画的に大きな土地も買ってまいりたいと思いますし、今後小さな面積の土地でありましてもできるだけ買っていく。そういうことによりまして、公園の面積というものを将来におきまして、少しでも大きくしてまいるように努力をいたしたいと考えております。なお鶴見緑地を勤労青少年のための空間として、あるいは市民のいこいの場として、あるいはコミュニケーションの場として早急に完成する必要があるというご意見でございますが、これはご指摘のとおり今日の大阪市の公園、緑地計画の目玉をなす場所でございますので、できるだけ早く大規模な公園緑地として完成してまいりたいと存じます。なお緑化問題については、ご指摘のとおりこれは百年の大計でございまして、私ども毎年たゆむことなく長期にわたってこの緑化をますます進めていかなければならないと思います。この問題は単に公的な予算措置のみでなく、市民の皆さま方全体が大阪市を緑化することにご尽力をいただくという意味におきまして、今日におきましても、市民各層の皆さま方から緑化についてのご協力をいただいていることを私どもは非常に心強く思うのでありますが、今後ともさらにこの緑化の問題は強力に、かつ、しんぼう強く進めてまいらなければならないと思うのであります。なおこれに関連いたしまして、大阪城公園の太陽の広場にできます野球場と、公園の広場の利用の関連についてのご質問でございました。これは従来、太陽の広場は大集会に使われておりますが、ここに野球場を新設いたしましても、外野のフェンスは取りはずせるようにいたし、また、ネットも巻き上げがきくようにする。スタンドは集会のときも使えるということで、決して支障のないようにいたしたいと考えております。 次に、マスタープランの改定の問題でございますが、将来の都市像について市民のコンセンサスを得ることが非常に重要であるというご指摘でございますが、これはご説のとおりでございまして、総合計画審議会にはもちろん、市民代表の皆さま方に参加していただいております。しかしそのほかにも市民各層の方々を対象にいたしましたアンケート調査でありますとか、いろいろな方面の専門の方々、そういった方々との書面による大阪の都市像について、対話等の手段によりまして、十分皆さん方のご意見が反映いたしますよう、そして将来の大阪の都市像について、市民のコンセンサスが得られますように努力をいたしたいと思います。なお地方自治法第2条第5項に基づく議会の議決と、マスタープランの改定につきましては、私どもとしてはこの法律の改正によりまして、当然議会の議決を得るために議会に提案を申し上げたいと考えております。 次に、最近の国際通貨危機の問題と、中小企業の関連の問題でございますが、これはその通貨危機の背景をどう考えるか、大阪の中小企業に今後どんな影響が起こるか、非常にむずかしい問題でございますが、ブレトン・ウッズ体制が崩壊いたしましてスミソニアン体制に移り、さらにそれが崩壊いたしまして、今後新しいいかなる国際通貨体制に移行してまいりますか、これは今日なお予測を許さない非常にむずかしい問題でございます。私はこの問題、専門ではございませんけれども、しかし本来的にやはり国際通貨というものは、それぞれの国の実態を国際的な通貨市場に表明するものであって、したがってそれぞれの国家の経済の実力と申しますか、体制というものがそのまま為替相場にあらわれてくるものと思うのであります。ブレトン・ウッズからスミソニアンヘと申しますのも、要はアメリカの経済体制の相当な傾斜、崩壊の為替的な表現であろうかと考えるのでありまして、私どもも今後の国際通貨危機に対処いたしますにつきましても、根本はやはり日本の経済の体質を整え、この体制を整えて、しっかりした日本の国家経済、社会経済の確立をはかっていくということが基本であろうかと存じます。大阪の中小企業に今後いかなる影響が参りますか、この点につきましては、さきに申し上げましたように、経済局におきまして、現在どのような影響があり、今後どういうふうに対処していくべきか、各中小企業の調査を行なっておりますが、その調査とも関連し、今後の国の施策ともにらみ合わせながら、今後出てまいります中小企業に対する影響に十分対処してまいるように準備を整えておきたいと思います。 なお、中央卸売市場の問題につきまして、卸売市場における意図的な価格操作があるかないかというお尋ねにつきましては、これはそういう意図的な価格操作というものはないものと考えております。なお、中央卸売市場の消費者物価問題における非常な重要性にかんがみまして、私どもは卸売市場と同時に公設小売市場の問題、そういった市場の問題を特に重視いたしまして、今後の市場行政と申しますか、消費経済施策を進めていく必要があると思いますので、そういった意味合いにおける機構の改革も今後検討しなくてはならないのではないかと考えております。なお、中国博の問題と関連しての訪中の問題につきましては、私も含めまして議会の皆さま方、また市民の各方面の皆さま方がなるべく早い機会に中国を訪問し、中国と大阪との友好親善の実をあげる、これは非常に望ましいことだと考えております。 次に、今回行なわれます分区の関連についての諸施設につきましては、分区に伴って必要となってまいります基幹的な施設については、これをできるだけ整備してまいりたい。新しくできます区については、新しいコミュニティづくりの拠点となるような公共施設にもっていきたいということで、分区に伴います諸施設の整備委員会をつくってまいりたいと思っておりますので、ここで十分施設をやってまいるようにいたしたいと考えております。 次に、民生福祉対策についてのお尋ねでございますが、まず最初に今回調査費をご提案申し上げておりますリハビリテーションセンター、これは心身障害者の相談、判定、治療、訓練、こういったリハビリテーションサービスを体系的かつ一貫的に行なうため、各分野の有機的な連係を持った基幹的な施設と考えております。したがってこれをつくります以上、これはぜひとも理想的なセンターにいたしたいと思いますので、今回も調査費を計上いたしまして、専門的なプロジェクトチームをつくりまして、理想的な基本設計を行ないたい。なお建設については早急にというお話でございますので、私どももまたできるだけ早い機会に完成をいたしたいと思うので、十分努力をいたしたいと存じます。 老人医療の問題につきましては、国の施策との関連もあり、また、老人医療を受け入れる医療施設の問題、また、乳幼児の問題につきましては、基本的な乳幼児対策の問題、あるいは医療施設の問題、いろいろ検討すべき点も多くございますので、今回も調査費を計上いたしまして、これらの諸点について十分検討してまいりたいと考えている次第であります。 次に、保育所の問題についてのお尋ねでございますが、保育所の問題というのは、まことに切実な問題であります。将来の社会のにない手となります幼児教育の問題、また働くご婦人のための労働問題、いろいろな意味からいたしまして、非常に重要な施設だと思うのでありまして、この点につきましては、ひとつ保育所に不足がないように十分な努力をいたしてまいりたいと思います。48年度におきましては、大阪市立の保育所の新設及び建てかえとして15カ所、増築1カ所を提案いたしておりますし、また私立の保育所に対する新設、建てかえ等によりまして、大体2,500人程度の保育所の定員増を予定いたしているわけでございますが、50年度の末には公私保育所合わせまして290カ所の保育所をもちまして、約3万人以上の保育要員を確保できるようにいたしたい。これによって大体市民の皆さん方のご要望を充足できるように持ってまいりたいと考えております。なお民間社会福祉施設に対する援助の問題につきましては、これはもちろん公立の社会福祉施設もございますけれども、同時にまた民間社会福祉施設が、非常な民間の皆さん方のご協力をもって、また古い歴史と沿革をもってご努力をいただいているのでございまして、公私合わせて総合的に、民生福祉対策が強力に進められなくてはならないと思うのであります。現在、民間社会福祉施設の運営について、非常にむずかしい情勢にございますので、私ども応分のこれに対するご援助をさせていただきたいということで、今回の予算をご提案申し上げている次第であります。 次に、教育の問題でございますけれども、父兄負担の解消について、これはご承知のとおり昭和43年度から4カ年にわたりまして、父兄負担の解消計画を立てまして、標準的な学校の維持運営費につきましては、4カ年で解消をいたすということで現在までやってまいったのであります。この父兄負担の限界、あるいは標準的な学校維持運営費のどこまでがそれであるかということは、いろいろご議論がございましようが、私どもといたしましては、一応4カ年で達成を見たと考えております。しかし同時に教育内容というものは、今後ますます向上しなくてはならない。また、物価、経済情勢の変動もございますので、今後とも教育施設の充実には、ひとつ十分努力をいたしてまいりたいと存じております。なお、市立高校の将来の問題あるいは、市立高校についての府立高校との格差の問題、こういう問題についての考え方のご質問でございますけれども、現在法制のたてまえといたしまして、高校教育施設というものは、府県においてこれを設置、運営いたすことに相なっておりますけれども、本市におきましては、従来、歴史的な沿革をもって相当多数の市立高校を建設、運営いたしているわけでございます。今後これをどういうふうにもってまいりますか、これは大阪府教育委員会の全般的な高校の選抜制度等との関連において、今後各方面と十分対策を考えてまいらなければならぬと思います。しかし府立であれ市立であれ、これは将来の人材を養成すべき高校でございますので、この施設の充実にはできるだけの努力をいたしてまいらなければならないと思うのであります。そういう点についても大阪府とも、あるいは大阪府の教育委員会とも十分ひとつ連絡をとってまいりたいと考えております。 次に、公害の問題でございますが、ご説のとおり窒素酸化物の問題が今後なかなか大きな公害問題となってまいります。したがって自動車の市内乗り入れ禁止と申しますか、制限の問題、こういった問題も将来必要となってまいると思います。私は自動車の問題というのは、いまご指摘の公害の問題も一つの大きな問題でございますし、また、市内の交通混雑、交通ふくそうの点からいたしましても、非常に大きな問題である。それからもう一つは、自動車による交通事故、ことに老人、児童の自動車交通事故というものが非常に大きな問題であろうと思うのでありまして、私は自動車の市内乗り入れと申しますか、市内の運行につきましても、ある程度の制限と申しますか、整理の方向というものはぜひとも必要であると考えております。したがってそういった方向においてこれの具体的な計画を立て、具体的なアクションをとってまいるべき時期にきているのではないかと思うのであります。たとえば中央環状線から内部におきまして、約3万台の自動車の市内乗り入れを制限してまいりますと、大体中央環状線沿いに約25万坪程度の新たなる駐車施設が必要でございますし、また、市内における交通混雑というものは必ずしも通動時のみでなく、営業時間と申しますか、朝昼の通勤時間の間における交通混雑というものもたいへんなものである。こういった面も総合的に考えまして、公害の問題も大きな問題でございますが、同時にその他の問題ともあわせて、何らかの自動車制限問題というものをひとつ各方面のご意見を承って、計画を立てていくべき時期に参っているのではないか、かように考える次第でございます。 なお西淀川区における公害被害者の救済対策の問題、現在政府並びに国会において新たなる法案が検討され、準備されている段階でございますが、法律が制定され、実施されるまでの暫定措置についてはどう考えるかという問題でございますが、この問題につきましては、西淀川区におきましても、被害者と事業者との間でもいろいろ話し合いが進んでいるようでございます。いましばらくその推移を見たいと考える次第であります。なお、公害防止条例を大阪府のほかに大阪市としてもこしらえてはどうかということでございますが、この公害防止条例すなわち、公害を規制してまいります条例については、なるべくは統一的なほうがよいわけでございまして、大阪市内のある区とか、あるいは大阪市内だけとか、あるいは一市町村に限るような規制というものは、ことに大気汚染にいたしましても水質汚濁にいたしましても、広域的な問題でございますので、狭い区域が適当だとは考えられないので、したがって公害防止条例については、大阪府の条例でもって規制されているわけでございます。しかしご説のとおり公害防止の実施上と申しますか、監督上と申しますか、そういった点でまた必要の出てまいるような時点におきましては、本市の公害審議会等にもご相談いたしまして、検討いたしてまいりたいと思います。なお医療問題、救急診療の問題あるいは休日診療の問題につきましては、環境保健局長からご説明、ご答弁を申し上げたいと存じます。 ○副議長(吉田弘君) 麻経済局長。 ◎経済局長(麻正保君) 経済局関係の諸点についてお答え申し上げます。総論的なことにつきましては、ただいま市長からご回答がございましたので、私から経済局関係の各論的なもの三つについてお答え申し上げます。 まず第1点の今般のスミソニアン体制崩壊に基づきます緊急措置の一つといたしまして、私ども約10億の緊急融資を3月1日から行なったわけでございますけれども、これにつきましてこの融資ワクで十分であるかというお尋ねでございます。前回の実績を見ますと、約1億円程度でございますので、私ども今般の場合は10億円で十分ではないか、このように踏んで、ただいまこのワクを設定したわけでございます。 それから設備の近代化の問題でございますけれども、これは府のみならず私どもも大阪のほうで行なっておりますので、問題はないと思います。 開業資金の問題でございますけれども、これはやはり企業の実績を見ます必要上、ただいま1年間営業成績判定の期間をおいておりますけれども、特定の企業について開業の際に、たとえば特殊な企業でございまして、今後大阪でこれを振興する必要がある企業、そういったような企業につきましては、私どものほうで今後何らかの手当を講じてこれを行なっていきたいとただいま検討をいたしております。以上3点でございます。 ○副議長(吉田弘君) 西尾民生局長。 ◎民生局長(西尾正也君) 内村議員のご質問の中で、老人いこいの家運営費の補助金増額の問題についてまずお答えを申し上げます。 現在市内に老人いこいの家が38カ所開設されておりまして、その運営につきましては、地元の老人クラブで行なっておられるわけでございます。その運営費につきまして、47年度におきましては、月額5,000円の補助をいたしておったわけでございます。私どもいろいろ運営の実態を調査いたしました上、48年度につきましては、これを倍額の月額1万円というように考えております。これで大体通常の運営につきましては、私どもまかなえるというように考えているわけでございます。 それから次に、民間社会福祉施設の助成、公私格差等の是正を含む民間社会福祉施設の強化の問題についてご質問がございました。私どもそれぞれ補助金の趣旨に沿って、施設において有効に使われますよう、交付にあたりまして十分配慮をいたしてまいりたい、かように考えております。 ○副議長(吉田弘君) 芝山教育長。 ◎教育長(芝山嘉郎君) 内村議員からご質問になりました教育委員会関係の周辺部小中学校の収容対策、木造校舎の解消対策、航空機、交通騒音対策、じん炎、ネフローゼ児の教育保障、この4点についてお答えを申し上げたいと思います。 まず、周辺部の小中学校の収容対策でございますが、毎年児童、生徒が急増しておりまして、プレハブ教室の解消あるいは過密校を分校として分け、それを新設校とする、そういったことに私たち全力を尽くしてまいったわけでございまして、新設校は過去5年の間に27校を設置してまいったわけでございますが、今後はご指摘のありましたように、計画的にこれに対処しなければならないと考えているわけでございまして、ちなみに48年度は6校の新設の計画を進めますとともに、用地取得につきましても、7校分の先行取得をいたしたい、こう考えているわけでございます。 第2点の木造校舎をいつどのように解消するのか、こういうお尋ねでございますが、現在本市の小中学校で木造校舎の数は、将来不要となるものを除きまして1,106教室あるわけでございますが、国におきましては、ご承知のように一定の基準以上の老朽校舎を対象として、その建てかえの補助金を出しているのが現状でございます。大阪市におきましては公害対策、過密対策、そういった面からもこれを促進する必要がございますので、これらに必要な改築を計画的に進めてまいりたい、こう考えているわけでございまして、48年度におきましては、47年度に比べまして約5割増の226教室をお願いしているわけでざごいます。今後もこれをさらに推進してまいりたい、こう考えております。 3点目の航空機騒音、交通騒音対策、今後どのような計画で対処していくかという点でございますが、ご承知のように、大阪空港の着陸路線の下の学校では、その騒音は激しいわけでございまして、これは46年度から国の認証事業といたしまして、防止工事に取り組んでいるわけでございまして、48年度におきましては、一そうこれを推し進めることといたしまして、東淀川区内の11校園の整備を計画しているわけでございまして、今後ともさらに範囲を拡大して整備ができるよう、国に対して強力に働きかけていきたい、こう考えております。また自動車等の交通騒音の問題でございますが、すでに約400教室の措置はいたしたわけでございますが、昭和48年度におきましては、47年度の約倍の108教室の整備をお願いしているようなことでございまして、今後さらにその促進をはかりたい、こう考えております。 最後にじん炎、ネフローゼ児の教育保障でございますが、昨年に引き続きまして、新年度も市民病院それからさらには国立病院にその養護学級を設置いたしたい、このように教育委員会としては考えているわけでございます。 ○副議長(吉田弘君) 中山環境保健局長。 ◎環境保健局長(中山信正君) 環境保健局から関係の問題についてお答えいたします。 まず第1点は分区保健所の問題でございますが、保健所の新設につきましては、国といたしましては、運営費の国庫負担金の関係、あるいは全国を通じましての保健所の配置の問題、さらには保健所の将来の任務のあり方というようなことで、現在再検討をやられている段階でありまして、したがってしばらくの間新設を制約しているというのが現状であります。国に対する大阪市の承認の要請につきましては、今後とも強力に働きかける予定でありますが、本市といたしましては、国の承認の有無にかかわらず、保健所業務を実施し得る機能を持った施設を設置する考えであります。 第2に、教育委員会からもお答えがございましたが、ネフローゼ、慢性じん炎等の長期入院を要する患者に対する教育的配慮のために、昨年、住吉市民病院内に養護学級を設けました。本年度も市民病院内に増設するつもりで予算を審議していただく予定であります。 次に、今宮市民病院の母子センターの問題でございますが、今宮市民病院を母子専門病院として運営するために、昭和47年度から改築工事に着手してその完成に努力している次第でありまして、昭和48年度に一部工事の完成を待って業務を開始いたしたいと考えております。なお第2期工事につきましては、その運営状況を勘案の上、検討してまいりたいと存じております。 次に、救急病院並びに休日、祭日の診療対策の問題でございます。近年ますます増加しつつある救急医療の需要に対応する救急病院の充実並びに拡充は、特に公的病院の役割り上、急務とされているところであります。本市におきましては、昭和45年に城北市民病院に交通救急センターを設置し、他の医療機関の少ない土曜日、日曜日について、内科、外科、整形外科、産婦人科、脳神経外科、麻酔科の医師を24時間待機させる救急医療体制をしいたわけであります。また昨年末から本年初めにかけましては、そういう体制の上に各市民病院からも応援を得て小児科医師を待機させ、いわゆる第2次救急病院としての診療を行なってまいりました。また、他の市民病院においても、休日並びに時間外に当直医師を配置し、急患の診察に当たっております。一方、今後の救急医療対策については、昨年大阪府に救急医療対策審議会が設置されたのを受けまして、大阪市におきましても本年1月、住民代表を交えた大阪市救急医療対策協議会を発足させ、休日、祭日等における急患対策も含めた救急医療体制の整備について検討を行なっており、その結論を待って救急医療対策と取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。 ○副議長(吉田弘君) 32番内村作二君。 ◆32番(内村作二君) 自席より答弁漏れについて……。特に中国博覧会の経過について質問をいたしましたが、十分な説明がなかったのでお願いしておきます。 ○副議長(吉田弘君) 大島市長。 ◎市長(大島靖君) 中国博覧会の開催についての経過につきまして、ご報告申し上げます。 昨年、日中国交正常化を機会といたしまして、関西の経済5団体が、大阪におきまして、中国の建国25周年に当たります来年、大阪で中国博覧会を開催してもらってはどうか、こういうふうな相談に基づきまして、中国側にその旨要望をいたしておったのでございますが、本年1月、中曽根通産大臣が北京を訪問されました際に、中国政府側から劉希文氏をこの問題についての責任者に当てるという意向の表明があった由でありまして、その後かなり急速にこの問題が中国側においても検討されている模様でございます。そうした経過につきまして、私どもとしてはこの問題につきましては、基本的に大阪における中国博覧会の開催ということは望ましいことであるという考え方を持っており、またこれに対して大阪市としても、応分の協力はなすべきものという考えでございますが、まだ具体的な主催者の問題、受け入れ体制の問題、あるいは会場の問題、開催時期の問題、期間の問題、さらには博覧会の内容の問題、こういった問題については、まだ一切具体化をいたしておりませんので、近々大阪商工会議所の会頭が中国を訪問いたしまして、中国側とそれらの点につきまして、詳細打ち合わせをする段取りに相なっている次第でございます。なお、経済5団体がこの問題についての計画を進めておりますが、しかしこれはやはり中国と日本との国民的な友好親善、相互理解の促進ということでございますので、単に経済団体だけの考え方、思惑で進めることのないように、やはり市民各層、国民各層の意見を徴して、できるだけ広範な体制においてこの博覧会が実効をあげるように進めていかれるべきものだと私は考えております。 ○副議長(吉田弘君) おはかりいたします。この際暫時休憩することに決してご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(吉田弘君) ご異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。   午後3時5分休憩   午後3時31分再開 ○議長(辻昭二郎君) これより休憩前に引き続き会議を開きます奥野修三君の質疑を許します。7番奥野修三君。 ◆7番(奥野修三君) 私は、公明党大阪市会議員団を代表いたしまして、今回上程されております昭和48年度予算案並びに関連する諸案件につき、大島市長及び理事者各位に質問をいたします。3番目になりましたので、若干重複することがありますが、質問に対しましては、簡潔にしてかつ明確なるご答弁をお願いいたしておきます。 本年は、革新大島市政の第2年度にあたり、300万市民より大いなる期待と注目を寄せております。特に大島市長独自の施策に対して、新しい大都市大阪の行くえに希望を寄せている年度であります。先日の市長説明によりますと、市民が人間性を取り戻し、健康で豊かな暮らしができるように生活環境を整備し、都市の谷間で恵まれない人々にあたたかい手を差し伸べ、市民の連帯感が高まるよう、生き生きとした人間と人間の触れ合い、住みよい働きやすい町づくりを進めることが、今後の市政の最大の課題であるとの決意のほどが述べられ、七つの柱をもって予算編成の骨組みとし、総額9,159億9,500万円と、前年度より17.4%の増額をされていることは、一応の前進と受けとめられますが、なお血の通ったきめこまかい市政の実現には、まだまだほど遠いものがあると感ずるものであります。これよりその幾つかを申し上げ、市長の決意のほどを明確にご答弁を願いたいと思います。 まず最初に税財政問題についてお尋ねいたします。本市の財政構造の硬直化を改善するために、税財政制度を改革する必要性については、毎年の代表質問で訴え続けているところであります。市長の昭和48年度予算説明には、国庫支出金並びに起債財源の確保につとめた旨説明されました。続いて税制調査会の長期答申中の、土地にかかる固定資産税の適正化及び土地政策の一環としての特別土地保有税の新設について、目下国会で審議中である旨発言されました。土地保有税は、国会審議の問題であり、わが党は、ここでその是非について云々するものではありませんが、この問題に関連して、税制の改正についての基本的な考え方について、一言申し上げておきたいのであります。すなわち、新税創設による財源確保をはかることは、市民負担の増高となるので、むしろ税配分の改善に力を入れるべきであると訴える次第であります。この問題は、故中馬市長が、その生涯を閉じるまで訴え続けた難問であり、この解決には幾多の困難の横たわることは周知の事実であります。ところで、市長説明に、地方交付税を200億円計上し、国庫支出金は前年度より27.3%増の694億3,100万円を計上等とあり、その努力については一応認めるものでありますが、しかしながら税配分の現状は、さらに不合理と矛盾に満ち、なお超過負担の問題は山積しており、健全なる市政運営のための財源確保について解決すべき問題が手をつけずに放置されております。この問題解決は、一地方自治体の力をもって、いかんともしがたい課題であり、超党派で広く国民にその現状を訴え続け、これを抜本的に解決する以外に方途はないと信ずるものであります。この点市長のご見解とその決意のほどをお伺いしたのであります。 次に行政区再編成についてお尋ねいたします。人口分布に応じて区域を分割及び統合してこそ、各種の区間アンバランスを解消し得ることは当然でありますが、昨年度に4区の区分が決定されい現在その実施準備中であり、合区については見送られたままになっております。合区については、市民参加の市政の原点に立ち、住民の合意を得ることを第一条件として、その実現を積極的に推進すべきであると考えますが、先ほどのご答弁では、まだ不明瞭な点もありますので、この点について市長の所信のほどをお伺いしたいのであります。なお、分区実施に伴い、区庁舎、区民ホール等の公共施設について、区間の不公平が著しく目立ってまいりますが、この解決策についてもあわせてお伺いしたいのであります。 次に、公聴部の拡充強化について、市民参加の市政の実をあげるため、わが党の予算要望書にも具体策の策定を要望しておりますが、この点に対するご見解を伺いたいのであります。 次に福祉対策についてお伺いいたします。いまや世論の中で大きな問題として取り上げられております心身障害者及び障害児対策であります。同じ人間としてこの世に生を受け、その直後よりすでに社会の中に取り残され、苦悩と悲しみの人生を余儀なくされた先天的心身障害児、また現今の交通戦争や公害の犠牲により、人生中途で社会より見放された、これら一連の身障者に対する福祉施策が、市長の言われる恵まれない人々にきめこまかい福祉施策を推進するためにも、最も重要な課題であり、かつ緊急を要する問題であります。障害の態様、程度が非常に複雑多岐にわたるこの問題につきましては、施策が非常に困難であることは理解できますが、だからといって、おくれてもやむを得ないという問題ではありません。これまでの施策として、重度精薄者の給付金支給、身体障害者のスポーツセンターの建設、あるいは精薄児の母子訓練等々、若干の施策が行なわれておりますが、まだまだ不十分であり、これらの施策の恩恵を受ける人たちはきわめて少数であります。数多くの心身障害者及び障害児は、日の照らない谷間でなげいている現状であります。ここで一番大切なことは、この問題の根本的、基本的対策でありまして、市長みずから先頭に立ち、本市のあらゆる機構の総力をあげて、一貫性のある、施策が必要であると思われます。わが党が、かねてより市長に要望いたしております点は、実にこのことであります。市長は、この点について、現在の施策で十分と考えておられるのかどうか、明確にお答えを願います。さらに、本年度の予算編成の中で、心身障害者リハビリテーション施設の建設準備として1,000万円が計上されておりますが、市長のご答弁を聞きましたところ、重要な問題でございますので、この点について再び具体的にその内容をお示し願います。さらには、今後の課題として、心身障害児の発生を未然に防ぐためにも予防医学の充実をはかる必要があります。わが党が、かねてより要望いたしております3歳児検診の完全実施と3歳児未満の乳幼児の医療費の公費負担を早急に実施して、乳幼児の生命と健康を守ることが急務であります。これらの実施についての市長のご見解をお示し願います。そして、もう一歩進んで、妊産婦の母親に対する指導、婚前、母親教育など知識啓蒙をはかり、未熟児、妊娠中毒症の発生と身障児の出生を防ぐ指導が必要であると思うのであります。それには、保健所と医療機関のタイアップがなくてはならないと思います。そしてさらに大阪市民に対する各地域の健康管理が、将来の方向づけとして、欠かすことのできない重要な問題になると思いますが、市長のご意見をお伺いいたします。 次に、民間社会福祉施設職員の処遇改善についてお伺いいたします。社会福祉行政を推進する上で、民間社会福祉施設の果たしている役割は非常に大きいものであると思われます。特に本市においてはこのことが顕著であり、半数以上が民間施設に依存している現況であります。しかるに、この民間社会福祉施設に従事する職員の処遇水準が、公的機関と比較してきわめて低いように思われます。そのために職員の確保さえ困難な状態におちいっている現状であります。福祉施策の充実の意味から、市長は、かねてより、これらの公私の是正については積極的に取り組んでいくと言われておりますが、その効果は見られません。民間社会福祉施設で働いておられる職員の処遇改善については大幅な助成をし、公私格差を一日も早く是正し、市民一丸となって福祉行政を進めていくことが、市民参加の市政の一端ではないかと考えますが、市長の決意のほどをお聞かせ願います。 さらに、最低限度の文化生活を営むことは、市民一人一人の権利であるにもかかわらず、市民の日常生活にはいまだ数多くの不安と不幸の交錯する中で、大島市長のテーマである、人間性尊重の福祉行政で老人にやすらぎを、婦人にいこいを、青少年に夢と希望をの福祉事業は、48年度行政の最大課題であり、市民の願望するところであります。もちろん、48年度予算編成に際し、限られた財源の中でも、市民生活重視、福祉優先に重点を指向されていることは認めながらも、わが党重点施策要望のうち、その幾つかを列記し、市長の所信の表明をお願いしたいのであります。 まず老人医療の公費負担について、本年1月から70歳以上の老人医療費が国の制度として公費負担されることとなったのでありますが、この結果、いままで本市で負担していた費用が、国費を受け入れることによって大幅に軽減されることになります。その財源を全額対象者の拡大に回せば、65歳まで年齢を引き下げることが可能ではないのか。 次に、入院ベッド差額及び付き添い看護料の差額について、現在生活保護を受けている人が入院した際に、自己負担で一番泣かされるのがこの費用であります。このような費用は、当然全額公費負担されるべきものではないでしようか。入院ベッド差額が、現実に1日500円以上も必要であり、また付き添い婦の費用も本市が措置している額では現実には来てもらえず、中途はんぱな福祉行政に、かえって恨みをかっているこの現状をどのように考えておられるのか、お答え願います。 次に、児童福祉法第22条に、「妊産婦が、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることが出来ないと認めるときは、その妊産婦を助産施設に入所させて、助産を受けさせなくてはならない。」と規定されています。しかしながら、現実にはこれがなかなか適用されておらず、指定病院が全くない区すらあり、これでは法の規定が空文化していることになるのではないでしようか。施設をもっとふやすとか、あるいは適用しやすくするようなお考えはないのか、お伺いいたします。 次に、保育行政もまたしかりであります。保育所建設を重点施策としていることは非常に適切ではありますが、一方、質的な充実にも、もっと力を注ぐべきではないでしようか。たとえば長時間保育及び乳児保育等々、市民は量質ともに充実してほしいと望んでいるのであり、この点に対する市長の考え方をお聞かせ願います。 愛隣対策についても、45年に総合センターが建設されましたが、その後の改善計画、具体的には学校、公園、住宅等の建設はどうなっているのか。施設を建設するだけでは問題解決にはならないと考えますが、明るい愛隣地区の町づくりのためにも、市長はどのような施策を進めてゆく考えか、お答え願います。 次に難病対策についてお尋ねいたします。最近、スモンやベーチエット病等、難病と称される一連の疾患が社会的に大きな問題となっていますが、これらは発病原因が不明のものが多く、また死亡率が高いものや後遺症がひどく社会復帰が困難なものも多く、治療方法が確立されていなかったり、また治療が長期にわたるために、患者並びに家族の経済的、精神的負担が大きく、早急な救済対策が必要とされています。昨年末、国においては、この問題について積極的な対策がとられることになっていますが、本市としてはどのような方針で進むつもりかお尋ねいたします。 次に、救急医療体制についてお尋ねいたします。近年における医療の充実はまことにめざましく、平均寿命の延長など、福祉向上の大きな柱となっていることは明らかでありますが、一方において、市民が日常の医療サービス面で必ずしも満たされていないことも事実であります。中でも、最近とみにクローズアップされてきたものに、休、祭日における診療の問題があります。わが国第2の大都市であり、医療機関の比較的充実した大阪において、地域によって休日には無医地区となり、一たん急病にかかったとき、医師の診察を受けるのに非常な苦労をせざるを得ないのであります。このことは、医療を受ける立場の市民としては、まことに不安であり、国民皆保険制度の現代であるだけに大いなる矛盾を感ずるのであります。これは、もちろん現在やかましく言われている医療従事者の不足や医学の専門分化の傾向など、社会情勢の急激な変動によることも見のがせないところでありますが、病気の予測ができないことも多いだけに、現実的な解決策は市民にとってまことに切実な願いであります。医療の問題は多くの要因が複雑にからみ合い、国においても抜本的な対策を欠くおりから、休日診療の対策は容易ならざるものがあるとは理解しながらも、300万市民の生命と健康を守るために、本市が中心となり、関係機関の協力を得て体制の確立をはかるべきではないかと思うのであります。生命尊重、福祉優先を提唱される市長として、この現状をどのように考えておられるか。また48年度予算において、現状の改善に何らかの対策を考えておられるのか。先ほどの中山局長の答弁では、具体的にはっきりしませんので、再びお尋ねするものであります。 次に、市長の重点施策の一つでもあります公害問題について、幾つかの点をあげてお尋ねいたします。 大阪市は昔から水の都と呼ばれ、淀川、神崎川、大和川をはじめ、大小の河川が市内を流れ、日本のベニスとまで言われてきたものであります。そのため市民は、河川に深い愛着を持ち、市民生活とは切っても切れない存在であったのが、昭和30年ごろから汚濁が目立ってきて、従来魚が住み、水泳もできたものが黒くにごり、悪臭を放ち、メタンガスが発生するものすら見受けられる状態であります。これは、市当局が工場排水、一般家庭排水に対して無為無策であったためではないでしようか。幸いにして、大気については昭和46年8月に本市が策定したクリーンエアプランの効果があらわれてきたのか、この冬は従来のような冬型のスモッグは相当減ってきたように見受けられますが、水質の汚濁防止については、対策が非常に懸念されるところであり、その他の河川、あるいは港湾地域についても、正常な市民生活に悪影響すら及ぼしてきている現況であります。市長は就任時に水質汚濁防止対策を公約の一つにあげられていましたが、その後この公約をどこまで積極的に取り組んで来られたのか。また今後いかなる施策を講じようとしておられるのか、お伺いしたい。 次に窒素酸化物対策についてお尋ねしたい。大阪市が策定したクリーンエアプランが着実に進み、環境汚染監視センターのデーターでも、硫黄酸化物の濃度が各地で低くなっており、成功しつつあることを示すものと思われるのでありますが、一方、最近、硫黄酸化物は下がったけれども、それにかわって窒素酸化物の汚染が問題となり、手放しで空気がきれいになったと喜ぶことはできないとも言われているのであります。自動車の排出ガスは、相当な窒素酸化物を含んでおり、自動車通行量の多いところでの排出ガスは、当然窒素酸化物汚染が増加していることも事実であります。また、火力発電所や工場からも排出され、これが規制については全く野放しになっており、一方、環境基準についても、いまだ決定を見ていない状態であります。窒素酸化物汚染は、いま直ちに影響があるとはいえないかもしれませんが、その対策は、硫黄酸化物に比べて非常に困難であるとも言われており、窒素酸化物汚染対策が困難であればあるほど、早期に着手すべきではないかと思うのであります。にもかかわらず、本市のクリーンエアプランにおいても、その対策は盛り込まれていない現状であります。市長は、窒素酸化物対策についてどのように考えておられるか、早急に対策を進めようという考えを持っておられるのか、その点についてお答えをお願いいたします。 次に公害対策を進めていく上で今後ますます重要性、緊急性を増してくるものと予測されるものに産業廃棄物問題があります。昨年末、西淀川区を中心とした西大阪一帯に悪臭が発生し、市民2人が一時入院するなどの大騒ぎがあり、これは処理業者が有臭廃油の取り扱いを誤ったために生じたものと聞いております。幸い一過性のものであったために、被害は最少限で済みましたが、これでは市民は安心して生活できません。そのほか、河川や道路への産廃の不法投棄や不適正処理があとを断ちません。ご承知のとおり、産廃の処理は、汚染者負担の原則に基づき、事業者みずからの責任で適正に処理すべきものであります。しかしながら、廃棄物処理法が改正されてすでに2年以上経過しているにもかかわらず、事業者に対する指導や立ち入り検査はほとんど実施されていない実情にあります。また、産廃処理を事業者みずからが、できないときは、その処理を専門許可業者に委託することができるとされていますが、その許可業者もほとんどいないといってもよい状況であります。市長はこのような事業者、処理業者に対する規制措導体制についてどのように考えておられるのか。人員、器材は十分であると考えておられるのか、まずお尋ねいたします。また、大阪は中小企業の町であります。産廃の処理については、大企業は当然みずから処理対策を講ずべきでありますが、中小企業においては、これから産廃をすべて自己処理せよといってもきわめて困難な実情にあります。公害防止上緊急に処理すべきものや中小企業で自己処理の困難な産廃については、地方公共団体としても、その処理対策を講ずべきであると考えるものでありますが、市長はどのように考えておるかお尋ねいたします。特に一昨年2月、大阪府と共同で設立された財団法人大阪産業廃棄物処理公社については、2年後の今日においても、いまだ仕事らしい仕事をしていないと聞いております。すでにこの2年間で、府市の補助金6,000万円がむだづかいされたことになるが、市長はこの公社をどのようにするつもりか、その具休策を示していただきたいと思います。 次に、一般廃棄物についてお尋ねします。すなわち人間が生きている限り、一般廃棄物もまた無限に排出されるものであり、しかもその廃棄物は、経済の発展、生活水準の向上に伴って、その量はますます拡大されています。本市では昭和65年に目標を置いた住みよい、働きやすい町づくりの長期総合計画、すなわちマスタープランを策定し、昭和42年に発表されたものによると、家庭ごみ、事務所、道路、河川等のごみを合わせて、50年には日量3,609トンとなっています。これを処理するため11工場の建設が必要であり、また焼却残滓その他を処理する処分地が必要となっています。しかし、私どもが調査いたしましたところによりますと、昭和47年度におけるごみの排出量は、すでに日量3,690トンにもなり、昭和50年度の予測量3,609トンに匹敵し、昭和65年においては、マスタープランの5,546トンの予測に対し、現在での推測によれば約7,500トンにもなり、その予測格差はますます大きくなっています。このままでは必ずごみ処理に行き詰まりが来ることは必至であります。この膨大なごみを処理するには、マスタープランで予測した11工場とそれに必要な埋め立て処分地だけでは対処できないのではないでしょうか。特に生活環境問題については、幾ら先手を打っても決して早過ぎるという問題ではなく、先の先まで読んで対処すべきものであり、この点についての市長のご見解をお聞きいたします。あわせて、特に焼却場建設、埋め立て処分地造成についても、地元の同意がなかなか得られず、いずれの都市においてもその進捗がおくれがちで、結果的には市民にしわ寄せされているのが現状であります。工場及び処分地の必要性と公害のない十分の配慮をした施設の建設を行なうよう、地元市民に十分の納得と手おくれにならないように建設を促進し、廃棄物の処理に手違いのないよう特に要望すると同時に、その心がまえをもお聞かせいただきたいと思います。 公害問題の最後は、被害者救済対策についてお尋ねいたします。昭和44年に、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法が制定され、指定地域も漸次追加されてきました。昨年6月には、健康被害に係る企業の無過失責任を規定した大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律が制定され、被害者救済措置が制度的に一歩前進したこともご承知のとおりであります。また、公害裁判により判決確定されたイタイイタイ病や四日市ぜんそく等、その他健康被害は起こらなかったが、カドミウムによる農業用地の土壌汚染に対しても、示談解決で損害賠償金の支払いを行なった例を見ると、一般的に世論は、この問題について積極的に対処するようになってきております。このように被害者救済措置は、年々制度的に改善され、地域指定も拡大されつつあり、判決、あるいは示談による解決例も累増の傾向にあります。本市の近年の大気汚染は、硫黄酸化物、降下ばいじん、浮遊微粒子については、年々汚染濃度の低減を見ておりますが、一方、増加傾向にある窒素酸化物の影響、さらには激増する自動車排ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、タール状物質等の影響も考え合わせ、昭和44年当時の指定地域決定の判断基準は、現時点ではもう通用しないのではないかということであります。そこで地域指定の問題は、抜本的に考え直すべきではないかと判断されるのでありますが、市長の率直なるお考えをお伺いいたします。 次に、現在、環境庁において、公害に係る健康被害の損害賠償保障制度を創設すべく進められており、本年3月16日には閣議に法律案をかけられると聞き及んでおります。この新制度は、現行の救済法よりも一歩進んだ救済措置の内容を持つものであり、昭和49年4月より発足予定と承っております。そこで、かねてより公害対策に関する市長の前向きの決意をたびたび伺っておりますが、新制度の実施は、いまや時間の問題でもありますので、本市として、尼崎市や川崎市で実施されている見地からも、本年度において国の施策にさきがけて、被害者救済措置の先鞭をとる必要があると思われますが、市長のお考えをお伺いする次第であります。もちろん、企業の負担金の拠出能力等、困難な問題であることは十分に理解できますが、先ほどの市長の答弁によりますと、推移を見ていきたいとのご答弁でありましたが、被害者に対してあたたかい思いやりのある大島市長の積極姿勢としても、ぜひ打ち出すべきであると考えますので、市長の重大なる決意のほどをお聞かせ願います。 次に教育問題についてお伺いいたします。現今の人口ドーナツ化現象による過疎過密地区における教育施設のアンバランスは目にあまるものがあります。今回上程されました予算案に、このアンバランスを調整する対策がどのように見込まれているのか、またこの点市長は積極的な熱意をお持ちであるのかどうか、その具体策についてお答えいただきたい。 次に幼児教育についてでありますが、本年度予算で公立幼稚園の建設がわずかに1園であります。市長は、幼児教育の充実をはかるため、幼稚園1園の新設と既設幼稚園4園の増改築を実施すると説明されましたが、はたして1園の新設で幼児教育の充実をはかったといえるのでありましようか。市長は、わずか1園の公立幼稚園の新設のみでは、市民の切実な要望をとうてい充足することは、幼児教育に対する熱意に少し欠けるのではないかと危惧する次第でありますが、この点の見解をお尋ねするものであります。 次に、心身障害児教育について、本年度初めて精神薄弱児の通園施設の建設と生野養護学校に小学部の設置、養護学校、ろう学校の校舎、講堂、プールの増改築、重度脳性麻痺児の通学確保、学級増等、若干の配慮がうかがわれることは認めますが、諸外国のこれら教育施設と比べて、本市はあまりにも立ちおくれた現状にあると言わざるを得ません。わが党議員団は、この点訴え続けておりますが、市長のこれらの問題に対する将来計画とご見解をお伺いいたします。 次に、中小企業金融対策については、わが党の予算要望書のとおり、無担保、無保証の小企業事業資金の融資限度額を200万円に引き上げられましたことは、時宜を得た措置であると思います。さらに保証料率の引き下げ、融資期間の延長も、わが党の要望どおり若干の配慮がなされた点も多とするものであります。さらに市民の要望が高まりつつある開業資金貸し付け制度の創設について、先ほどのご答弁を伺っておりますと、本市に寄与する特殊な企業について考えるというお答えがありましたが、具体的にどのような内容のものかお示し願いたいと思います。さらに一般についても積極的なご検討をお願いするものであります。 次に住宅問題についてお尋ねいたします。市長は、住まいと暮らしの安定をはかるためには住宅政策が必要であると強調されておりますが、大都市における住宅不足はあまりにも深刻であり、市民の最も切実な要求の一つでありますので、次の3点について市長の見解をお伺いいたします。第1に、公営住宅の建設は、昭和47年度4,500戸、昭和48年度4,700戸ときまっており、毎年約200戸増の予算措置となっております。国の住宅建設戸数との関連性もあると思いますが、核家族化傾向にある現今の住宅需要から見て焼け石に水の感があります。しかもその執行率は、現在75.4%で、前年度に比較して未執行残は漸増しております。建築局の懸命の努力は見受けられるものの、100%の執行率不可能な状態について、どこに隘路があるのか、その究明と解決に、どのように努力をしているのか、この点、理事者の明快なるご答弁をお願いいたします。市民は、公営住宅の大量建設に大きな希望と期待をかけており、迅速かつ大量の建設が必要であると思いますが、市長のお考えをお伺いしたい。第2に、住宅整備補修でありますが、昭和48年度上程されております金額は、前年度に比して1億1,600万円の予算増になっております。既設住宅の整備補修費より年々老朽化していく住宅の損耗率が上回り、実質的にはかえって補修ニード充足率が低下している現状であると認識せざるを得ない現況にあります。しかも、補修申請後、補修実施まで非常に長時間を要し、ひどいものになると1年から2年も放置状態が続き、市民から非難を受けている事実は周知のとおりであります。これでは市長の所信である、住まいと暮らしの安定にはならないのではないでしょうか。遅々として進まない原因がどこにあるのか、明快にご答弁をお願いいたします。また、現在の住宅行政に対する機構そのものに問題があるのではないでしょうか。この際現在の住宅管理行政を根本的に改革し、スムーズな運営ができるためにも住宅本部の設置をお考えになってはどうかお尋ねいたします。さらに、かねてわが党より指摘しております公営による住宅補修サービス公社の設置についても、そのお考えがあるのかどうか、率直なるご見解をお示し願います。第3に、きめこまかい福祉施策として、身障者住宅、老人向け、親子ペア住宅の建設がなされていますが、その数はきわめて僅少であります。この種の住宅の大量建設が必要であると思いますが、この点についてどうお考えであるかお伺いいたします。 次に防災対策についてお尋ねいたします。近年の急激なる都市構造の変化は、高層建築物の激増、大型地下街の拡大、危険物取り扱い施設の増加など、災害発生の危険性を著しく増高させる結果となっております。千日デパートの火災事故は、大都市における災害の特殊性を実証するに余りあるできごとというべきであります。この点から見て、昭和48年度の消防関係の予算は決して十分と言い難いものであります。たとえば、マグニチュード7以上の大地震がもし発生したとすれば、避難場所に指定されている長居公園、鶴見公園、大阪城公園、あるいは昭和山と、はたして市民が安全に避難できるかどうか。その保証が一体どこにあるのか、はなはだ疑問であります。また、配水管破裂による消火栓の使用不能に対応する地下貯水槽の利用等、具体的に検討されているかどうか。また一方、幹線道路亀裂による車両通行不能の際の飲料水、食料、衣料、医薬品等の輸送はどうなるのか、あらゆる事態を想定しての防災対策は、はたして万全であるのかどうか。市長の言われる、市民生活の安全のための防災対策とは、いかなる観点にあるのか。これらを考え合わせますと、りつ然たるものを感ずる次第であります。この点、責任あるご答弁をお願い申し上げるものであります。 次に、今夏答申を得るといわれる本市のマスタープラン改定についてお伺いいたします。昭和42年に発表された総合計画は、いまや政府の経済高度成長のひずみによって、本市においても幾多の悪影響が見られ、もはや当時の計画内容であっては相当の矛盾点が見られるのであります。たとえば公害問題、道路事情、住宅問題、人口のドーナツ化等が顕著に見られ、総じて市民生活の環境悪化は増大の一途をたどり、大都市では人間がもはや安住の余地がないというところまで追い込まれている現況であります。市長は、こうした現状から、新しいビジョンの構想を打ち出すべき時期に着目されたことは、まことに意を得たことと思いますが、同時にこの重要な課題は、議会はもちろんのこと、各機関とも十分に検討すべきと考えますが、はたして市長ご自身がいかなる私案をお持ちなのか。全市民が最も期待と注目をいたしている問題でありますので、お尋ねするものであります。 都市再開発事業の必要性について、わが党は否定するものではありません。しかしながら、当該地区住民の犠牲によって強行される都市再開発事業に対しては強く反対せざるを得ないのであります。すなわち、借家人保証が軽視されている現状を最重点的に改良すべきであり、その他各種の保障に対しても十分なる配慮を払うべきであります。総じて事業対象地域、住民の完全なる合意を得ることを絶対要件として計画決定すべきであります。このためには、現行法の規制のもとで、可能な限りの公費支出の方途を講ずることが先決問題であり、これなくして住民の不満を無視した計画決定は、市民参加の市政を標榜する大島市長の基本方針から見ても、あくまでも避けるべきであります。この点、市長の明快なる所見をお伺いいたします。 48年度予算編成にあたり、市長は七つの柱の一つに、市民の連帯感を高めるコミュニティづくりと文化の向上をうたっておられます。本市の文化行政は、きわめて多岐にわたり、系統的な市長サイドの文化施策が明確でないように思われるのであります。申すまでもなく、市民の連帯惑は、市民会館、区民ホール、体育館等の施設建設も、また重要な意味を持つものであるが、さらに、みどりのいこいの場と市民芸術、市民芸能等の推進発展もまた必要課題であると思われます。こうした意味から、現在の公園部を公園局と発展させ、各部局にわたる文化行政をさらに充実させ、市長の意とされるコミュニティづくりと文化の向上をはかられる意図はお持ちかどうか伺うものであります。 次に下水道事業についてお尋ねいたします。本市周辺部の下水道及び河川各排水溝の改良整備は急務であります。特に昨年は、2回にわたる広範囲の浸水をこうむり、多くの市民に多大の被害を与えたのであります。特に周辺部の浸水対策として、排水溝の暗渠化、農業用水路の整備は、周辺部の開発とあわせて早急に解決が迫られている問題であり、特に東淀川区、城東区、生野区、東住吉区、住吉区等の周辺区における農業用水路と生活用排水路の関連する抜本的解決は、下水道整備、公害問題とあわせて、決して放置できない問題であります。市長のこれに対する打開策をお聞かせ願いたいのであります。次に、都市交通問題についてお尋ねいたし.ます。大都市を中心とした人口のドーナツ化現象は急激に進んでおります。そのための周辺住宅地域に対する輸送力の増強は、今後の都市政策を論ずる上で重要な課題であると思うのであります。すでに現在においても、朝夕のラッシュは飽和状態であり、交通麻痺は各所に見られ、これを解決するためには、当然本市における路面交通及び地下鉄の抜本策を考えなければならないと思いますが、都市交通問題として考えあわせますと、国鉄、私鉄を含めた関係機関と基本構想を立て、根本的な解決策をはからなければなりません。その意味も含めた今後の高速鉄道建設計画及びバス路線再編成のお考えがあるかどうか、市長の所信をお伺いいたします。あわせて、高速鉄道建設費に対する国の補助並びに利子補給が改善されましたとはいえ、今年度経営収支約19億4,600万円の損失が予想されておりますが、その解決策についてもお伺いいたします。 次に水道事業についてお尋ねいたします。さきの臨時市会において料金改正がなされましたが、家庭用水の大半が料金の据え置きになったとはいえ、料金改定をされた今年度は、市長は、出水不良対策、赤水対策、漏水防止対策等、市民サービスに力を注ぐべきだと考えるのであります。また、豊かな水、水資源の確保には、琵琶湖総合開発事業やその他の水量確保に万全を期すとともに、新たな他の水系等の将来計画、淀川水系の水質汚濁防止策が必要であると思われますが、市長のご見解をお聞かせ願います。 以上、、昭和48年度予算案の中から幾つかの問題点を提起してまいりましたが、いずれも市長の明快なるご答弁を求めるものであります。ご答弁の内容によりましては、再度質問をさせていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(辻昭二郎君) 理事者の答弁を許します。 大島市長。 ◎市長(大島靖君) 奥野議員のご質問にお答えを申し上げます。 まず最初に歳入の問題でございますが、大都市の税財政制度の確立の問題、あるいは税配分の現状、税制改正に対する基本的な考え方についてのお尋ねでございます。昭和38年以来、大阪市は市会の皆さま方と理事者とが一体となりまして、大都市の税制改正運動を進めてまいっておりまして、かなりの成果をおさめてまいったのであります。この税制の改正の問題というのは非常にむずかしい問題でございまして、一挙には参りませんでした。しかし、年々若干ずつの改正が積もり積もりまして、48年度の予算におきます市税並びに譲与税等の計上を、約1,500億円いたしておりますが、この1,500億円の中で従来の税制の改善措置によって生まれました増収は、約400億円にものぼっております。一挙には参りませんでしたが、長期間にわたって考えてみますと、相当大きな成果をあげていただいたといえると思うのであります。しかし、根本的な抜本的な大都市の税財制の改正問題は、まだ実現を見ておらないのでありまして、今後に残された問題でございます。なお地方税の--市町村税の現状と申しますのは、たとえば大阪市域の中におきます国税、府県税、市税の割合を見ましても、大阪市税の占める割合は、わずかに11%にすぎないという状況であります。私どもは、今後の税負担のあり方につきまして、税制調査会におきまして、ただいま奥野議員ご指摘のような各般の税制の根本問題、あるいは税負担の問題、新税の問題等が論議はされておりますが、しかし、同時にこの根本的な税制全体の中における地方税の配分の問題、ことに市町村税--特別にはまた大都市における市町村税の配分の問題、この問題が、私は根本問題であろうかと思うのでありまして、今後とも市会の皆さま方と一体になって、これが改善について全力を注いでまいらなければならないと思うのであります。この税制改正問題と並んで、歳入問題全般について、交付税、補助金、起債等の確保の問題についても、私どもは努力もし、また政府に対してこの点についての要請を強くいたしていかなければならないと考えておる次第でございます。 次に合区の問題についてのご質疑でございます。合区実現について積極的に推進していくべきであるというご意向でございますが、私どもも全く同感でございまして、合区につきましては、いろいろの問題点がございます。それぞれの区の長い歴史や伝統、住民感情といったものもございますけれども、しかし、今後さらに時間をかけまして、住民の皆さま方のご理解を深めていく努力を重ねてまいりたいと思うのであります。特にこの問題は、私どもとしましては、やはり実際に、たとえば今回分区をいたして新しく発足いたします8区につきまして、単に広過ぎるからこれを分けるということではなくて、新しいコミュニティづくりというような気持で取っ組んでまいりたい。その現実の姿を、市民--この8区以外の皆さま方にもよくごらんいただいて、具体的に新しい区の姿を強く印象づけるといった方向で、ご理解を得るように努力をいたしてまいりたいと思うのであります。なお、分区の実施に伴います公共施設の整備の問題でございますが、これは昨年、本市会におきまして、分区条例のご審議をいただき、ご議決をいただきました際に附帯決議が付けられております。この附帯決議のご趣旨を尊重いたしまして、先般市役所の関係各局による新しい区の開発整備推進会議というものを発足させまして、これからできます8区の環境整備、新しいコミュニティづくりの諸施設の整備をはかることにいたしたのでございますが、今回の分区に関連しない区につきましても、まずこの8区の環境整備、コミュニティづくりを進めますとともに、その他の区についても全体的な計画を立て、またこれが実現の年次計画を策定するというふうに進めてまいりたいと考えておるのでございます。 次に、福祉施策各般についてのご質問でございますが、特に心身障害児の対策についての強いご意見、またご質問でございます。私もまた奥野議員とこの問題について全く見解を一にするものでありまして、私は、現在の民生、福祉施策の中でも、ことにこの心身障害児対策というものが、まだまだ不十分であるということを率直に認めざるを得ないのであります。ただ、この問題は、対策が非常にむずかしいということは、ご指摘のとおりでありまして、私はご指摘のとおり一貫性のある施策、積極的な取っ組み方、このことがもうぜひとも必要なことだと考えております。そのためには、リハビリテーションセンターという、基本的な診断から相談、治療、訓練、こういった一貫した総合的な施設というものを基礎に置きまして、その上で、重度の心身障害者の方々、また在宅障害の方々と、いろいろな態様をもって苦しんでおられるわけでございますから、私どもは、実態の把握というものを精密に行ないまして、それぞれに適応するような施策を少しずつでも進めてまいりたい。しかもこの問題は、単に民生局だけの問題ではなく、教育委員会も関連いたします、環境保健局も関連いたしますこういった各局の施策というものを、一貫性のあるものにいたしたいと思いますので、こういった協議会を設けて、その施策の徹底を期してまいりたいと思うのであります。特にリハビリテーションの施設の建設準備として1,000万円を計上いたしておりますが、これにつきましては、いま申しましたような意味で、ほんとうに理想的なものをこしらえたいと思いますので、専門家の要請も含めました理想的な施設に持っていきたいと思います。また大体2年ぐらいでぜひとも完成いたすように急ぎたいと考えております。なお、この心身障害の発生を未然に防止いたします予防医学の充実、ことには妊産婦の指導、啓蒙、こういった問題については、私も奥野議員ご指摘のとおり非常に重要な問題だと考えておりますが、これらの問題については相当医学的なご説明を要すると思いますので、環境保健局長から後ほどご答弁をさせたいと存じます。 なお、福祉対策の新しい施策として、今回、民間社会福祉施設に対する援助の問題については、2億3,000万円余を提案させていただいたのでございますが、お説のとおり民生、福祉の仕事というものは、官民一体となってこれを行なわなければならないと思うのでありまして、そういった意味合いで、社会福祉施設、現在非常なご苦労を願っており、また非常にむずかしい環境の中で、悪戦苦闘をしていただいておるわけでございます。そういった皆さま方に対して、税金をもって幾らかでもつっかえ棒と申しますか、お助けもして、全般的な官民一体の社会福祉施設の前進をはかってまいりたいと存ずる次第であります。 なお、老人医療の公費負担の問題、あるいは入院ベッドの差額の問題、付き添い看護料の差額の問題、あるいは妊産婦に対する助産施設の問題、こういった具体的な民生、福祉施策につきましては、お説のとおり非常に重要な問題でございますが、その現状並びに今後の施策につきましては、民生局長からご答弁申し上げたいと存じます。 なお、愛隣対策につきましては、この問題は、もう大都市にとりまして根本的な大事な問題だと思うのでありまして、本市におきましても、昭和42年に愛隣地区の対策のための緊急改善計画を策定いたしまして、第1次計画としてその総合センターの計画を実施してまいったのであります。引き続き第2次の計画といたしまして、小学校、中学校の建設、あるいは第3次計画としては、店舗つき住宅の建設、こういったことにつきまして、だんだん実施の運びと相なっておりますが、この問題もご指摘のとおり、単なる民生施策ということではなしに、民生局、清掃局、土木局、環境保健局、あるいは区画整理、建築、教育と、もう各局の施策が総合的になされることが必要でございますので、昨年の4月に愛隣対策の連絡会議を設置いたしたのでございますが、本年度におきましては、この問題についてさらに一段の進捗をはかりたい。またこれは、大阪府と一緒になって協力して行なう必要があると思いますので、府市共同して各般の調査と企画の立案に当たってまいりたいと考えております。 なお、難病対策の問題、救急医療の問題、この問題は、両者とも非常に重要な問題でございますが、環境保健局長からご答弁申し上げることにいたしたいと思います。 次に水質汚濁防止の問題、この問題は、公害問題として今後の最も大きな問題であろうかと存じます。大気汚染の問題につきましては、ご指摘のとおり亜硫酸ガスの問題、浮遊ばいじんの問題については、一応のめどを見てまいっております。窒素酸化物につきましては、なおむずかしい問題がございますが、今後の大きな公害問題は水質汚濁の問題であろうかと思うのであります。ただ私は、この際市会に対しまして、深甚の感謝と敬意を表したいと存じますのは、この水質汚濁防止問題の根本と相なりますものは、下水道の100%の完備ということでございます。この対策なくしては、私は水質汚濁防止の対策は成り立たないと思うのでございますが、幸いにいたしまして、市会の非常なご理解とご協力とご援助によりまして、昨年、下水道の100%整備計画のご承認を賜わりましたこと、このことによって、私はこの水質汚濁防止対策というものが発足できると思うのであります。もちろん下水道が完備いたすということは必要な条件ではございますけれども--決して十分な条件ではございませんことはご承知のとおりではございますけれども、まず下水道の完備、その上に立つ水質汚濁防止ということが、いまようやく発足できるに至りましたことは、私は、ここに市会に対して深甚の感謝を申し上げたいと思う次第であります。現在ようやく水質汚濁防止につきましての総合対策--クリーンウオータープランが策定できまして、現在大阪市の公害対策審議会におきましてご審議願っておるわけでございますが、これによりまして河川の浄化というものもだんだん進んでまいると思うのであります。 次に窒素酸化物の問題でございますが、ただいま申し上げましたように、大気汚染の問題の中でも、今後の問題は窒素酸化物の対策であろうかと存じます。この問題は、一つの大きな排出源といたしましても自動車が考えられます。私は、自動車の排気ガスの問題につきましては、政府において、自動車メーカーに対して厳重なる規制を行ないますこと、このことが絶対の条件であろうかと思うのであります。アメリカにおけるマスキー法類似の規制、これの実施によりまして、日本の自動車メーカーには、これに対応するそれだけの技術の開発--技術水準並びにその経済的余裕は十分あるものと確信をいたすものでありまして、私は、その意味におきまして、政府の厳重な規制とメーカーの新しい技術開発に対する奮起を要望いたしたいと思うのであります。この窒素酸化物の大阪市における対象につきましては、先般、大阪市の公害対策審議会にご諮問を申し上げまして、現在ご検討いただいておりますが、ほどなくご答申を得るに至ると思いますので、それによって遺漏なきを期してまいりたいと思います。 次に産業廃棄物の処理の問題でございますが、この問題は、一般廃棄物、ごみの処理の問題と相並んで今後の非常に大きな都市問題であろうかと思います。排出されます量にいたしましても、その質にいたしましても、きわめて処理の困難な問題でございます。しかし、この産業廃棄物の処理につきましては、法律に基づきまして、あくまでも排出者が--原因者が、その処理の責に任じ、その経費の負担に当たるというたてまえに相なっております。しかし私は、特に中小企業の場合、零細企業の場合、非常に問題になると思うのであります。ことに、量的には産業廃棄物の大部分を占めます建設廃材と申しますか、土砂、がれきの類、これにつきましては、燃焼可能なものではございませんので、どういたしましても埋め立てといいますか、そういう処置をしなくてはいけないわけでございます。この点につきましては、私は、大阪市周辺の地域におきまして適当な埋め立て処分地というものを大量に確保するということがぜひとも必要だと存ずるのでございますが、昨年の当市会におきまして、ご議決をいただいて発足いたしました北港埋め立て事業、これにつきまして、本年1月の国の予算編成におきまして、運輸省の予算で港湾環境整備に対する特別の補助制度が新たに制定されまして、これによりまして大阪市の北港の造成につきましても、かなり大幅な国庫補助を受け得るに至りましたので、この事業が大量かつ急速に進むのではないかと存じます。ただ、この問題につきましては運搬の問題、運搬の貨物自動車による第2次公害と申しますか、そういったむずかしい問題がございますが、これらの点につきましても、今後さらに研究を続けてまいりたいと思うのであります。そのほかの産業廃棄物の処理につきましては、私は、なるべくはこれを再生利用するという方向における新規技術の開発が必要であろうかと思うのでありまして、ある産業廃棄物の部分につきましては、十分ペイするだけの新規技術の開発が現在なされております。ただ、ポリエチレンその他、なお技術の未開発の分野が残っておりますが、これらの点についての新しい技術開発のめどがつき次第、この処理の作業を開始しなければならないと思うのであります。これはもちろん、いま申しましたような排出者--原因者がみずから行なうべきことではございますけれども、ただ中小、零細企業等の場合を考えますと、やはり公共団体ないし公社といったものが、これにかわって、あるいは先行して、これを実施するという場合もあるようであります。しかし、その場合におきましては、その代金と申しますか、料金は払っていただく、こういうことによって今後進めていきたい。技術開発を待って産業廃棄物処理公社の活動も開始の準備に至るであろうと思うのであります。なお、この一般廃棄物、ごみの処理について、今後の埋め立ての問題、焼却の問題でございますが、埋め立ての問題にいたしましても、ただいまのような運搬--貨物自動車による沿道の迷惑の問題もございます。また焼却工場の建設につきましては、ご承知のような、地元の皆さま方の非常なご心配もございます。私どもとしては、両者とも誠意をもって関係地域の皆さま方にご理解をいただくように今後とも努力を続けてまいらなければならないと思うのであります。 なお、西淀川の公害指定地域決定の判定基準について、これは今後、抜本的に変わっていくべきではないかというお尋ねでございます。この現行の公害に係る被害者の救済法が施行されました当時、西淀川区内におきます汚染濃度というものは高かったのでありますが、ただいま申しますように、年々汚染の濃度は低減いたしております。ことに硫黄酸化物については、昭和47年度末におきましては、おそらくは政府の定める環境基準を下回ることに相なるのであろうと思っております。ただ、窒素酸化物など、他の物質による汚染の問題がなお残っておりますので、今後の指定地域の判定基準につきましては、硫黄酸化物のみならず、他の新しい要素も十分考え検討すべきであろうと思います。また、現在、環境庁におきまして、審議、検討いたしております公害に係る健康被害損害賠償保障制度の考え方におきましても、各般の汚染物質、これによる新しい制度の埋め立てを検討いたしておる趣に承知をいたしております。なお、いま申しました今特別国会に上程される予定に相なっております損害賠償保障制度、これは非常に大きな制度の改正でございます。このことが実施されますと、世界的にも非常に新しい制度が生まれるわけでございますが、発足までの暫定措置と申しますか、つなぎの措置につきましてのご趣旨、私もごもっともに存じます。現在、当該地区におきまして、企業と被害者の間にだんだん話が進んでおりますが、私どもも、この経過を十分検討の上、できるだけの努力をいたしてまいりたいと思うのでありまして、いましばらくのご猶予を賜わりたいと思う次第であります。 なお教育の問題、過疎、過密地域の教育施設のアンバランスの問題、あるいは幼児教育の充実のための幼稚園の整備の問題、こういった問題につきまして、また心身障害児の教育対策につきましては、教育委員会の所管にかかりますので教育長からご説明申し上げたいと思いますが、私は、特に心身障害児教育の重要性につきましては、奥野議員と全く見解を一にいたすものでありまして、治療、訓練、養護の対策とともに、教育の問題は、ひとしく教育を受ける権利という立場から、できるだけの施策を講じてまいらなくてはならないと思うのであります。48年度の予算におきましてもかなりの各般の新しい施策を考えたつもりでございますが、まだまだもちろん十分ではないと思います。今後ともいろいろな方面のお教えをいただきながら一歩一歩積み上げてまいりたい。ことに肢体不自由児、精神薄弱の子供たちの問題というのは、ほんとうにむずかしい問題だと承っております、私は先般も3人の、この問題についての教育の専門家、また医療の専門家、児童の専門家で権威と言われておる先生方のお話を数次にわたって承ったのでありますが、承れば承るほどむずかしい問題であります。しかし、いろいろ施策をやって、その中から成功するものもあるだろうし、あるいはなかなかうまくいかない問題もあるかもしれない。しかし、いろいろな施策をやり、その中から少しでもお役に立つような方向に進めてまいりたい。私は、このためには全力をあげてやりたいということを強く決意をいたしておる次第でございます。 なお、住宅の問題につきまして、住宅建設計画の執行率が悪い問題、あるいは補修が行き届かない問題、あるいは住宅行政についての機構の問題、住宅本部、あるいは住宅サービス会社を設置したらどうかというようなご意向の問題、あるいは身障者住宅、老人向けのペア住宅の問題、こういった住宅の量の問題、質の問題、各般の問題につきまして、先般も住宅審議会において慎重な審議が行なわれまして、その中でも特に市営住宅の管理の改善につきまして、この2月ご答申をいただいたのでございます。これらの答申に基づきまして、ただいまご指摘の、あるいはご質問の趣も十分勘案いたしまして、できるだけ住宅政策が円滑に参りますような努力をいたしたいと考えます。 さらに防災対策の問題についてのお尋ねでございます。防災対策、その中でも大きな地震があった場合の対策につきましては、ほんとうに奥野議員ご指摘のとおり、まことに心配になる問題でございます。ことに震度の大きな地震になりますと、大阪市内におきましても崩壊する家屋というものはかなりな数にのぼり、かつ火災の発生を予測される規模も、相当大規模なものとなります。現在の消火能力は、はたしてどうなるか非常に問題でございます。私はまず第一に大事なことは、いまご指摘のとおり、そういう大災害の場合における市民の避難場所等の設置とこれに対する誘導の問題が非常に大事な問題であろうかと存じます。現在のこれらの小さなあき地というものは、関東大震災の例によりましても、必ずしも役に立たない、あるいはかえってあぶない場合もあるということで、かなり大規模な空地、公園、緑地というものが、避難地として設定さるべきでございます。そういった点でまだ北部方面におきましては、大規模の避難地にいささか欠ける点があろうかと思いますし、ことに避難地までの誘導道路並びに誘導の措置をどういたしますか、この辺が非常に大きな問題だと存じます。防災会議におきまして、地震の専門部会を設置いたしまして、現在、その対策についてご研究をいただいておりますので、いろいろな被害を想定いたしまして、これに対する措置の研究を願っております。いずれこの専門部会のご答申をいただければ、これは非常に大事な問題でございますので、市会にもご報告を申し上げてご意見を承りたいと考えております。 次に、マスタープラン改定につきまして議会並びに各方面のご意見を十分徴し、慎重な協議を進める必要があるのではないかという点につきましては、お説のとおりでございまして、私は、地方自治法の規定によりましても、マスタープランの骨子につきましては、やはり議会の議決を要するものと考えております。したがって、議会に付議するまでにおきましても、市会の皆さま方の十分なご意見を賜わりたいと存じますし、また審議その他の専門的なご意向も十分承って策定につとめてまいりたいと思います。 なお、都市再開発に関連いたしまして、保障制度と申しますか、特に借家権者の保護の問題でございますが、現在までの経験によりましても、都市再開発ないし再改造の一番のネックはそこにあるんではなかろうかと存じます。この点につきましては、もちろん都市再開発法によりますと、借家権者の権利、価額を保障するよう明記されております。また、その額に不満があります場合は、収用委員会に裁決を申請することもできるようには相なっておりますけれども、実際問題として、この借家人対策の問題が一番むずかしい問題になる。したがって、この借家人の権利が保護されますように、法律的にも法律外にもいろいろな措置が必要ではないか。この辺のニュアンスと申しますか、借家人に対するあたたかい気持、またご理解をいただくような努力、この辺が今後の再開発事業の成否を決するかぎになりはしないかと思うのでありまして、こういった点について、ただいまご指摘のご意見なり、ご要望については、十分私どもは今後配慮してまいりたいと考えます。 次に、公園部を公園局にしてはどうかというご意見であります。ここ数年来、本市の公園事業というものは、予算の面におきましても、その計画、建設、管理、運営の面におきましても、非常に大規模な進展を遂げておると申し上げて差しつかえないんではないかと考える次第であります。私は、全市の公園--大公園も小公園も含めまして、今後における建設、また現在まででき上がったものの管理、その管理の体制、これは現在の部制でもってしては、ちょっと管理並びに今後の計画進捗には不十分な感じは、かねがねいたしておったのでございます。いま、公園部を局にというご意見でございますが、そういった点も十分勘案いたしまして、機構の問題につきましては、いずれ私ども十分検討をいたしまして、あらためて市会のご審議を得る運びにいたしたいと思いますので、今後十分検討をさせていただきたいと存じます。 周辺部の浸水対策の問題につきましては、これは、ほんとうに雨が降るたびに、周辺部におきまして浸水がございますことは、まことに恥ずかしいことであり、また周辺部の市民の皆さま方にはご迷惑をおかけして申しわけないことだと考えております。昭和46年度までにかなりの周辺部の浸水を解消してまいったのでございますけれども、遺憾ながら昨年の7月の豪雨--20号台風、これによりまして相当な被害を受けたのでございます。これらの地区の排水につきましては、農業用水路に依存いたしておりますので、下水幹線、枝線の整備、排水、ポンプ場の緊急な整備が必要でございます。昨年ご議決をいただきました新しい5カ年計画では、この点につきまして最重点に置きまして、鋭意努力をいたしまして、浸水の解消に一段の努力をいたしたいと思います。なお、周辺部におきましては、大阪府の施行にかかる流域下水道との関連の問題がございますが、この点につきましても、市内の浸水解消という見地から、大阪府に早期の事業の進捗を強く要望いたして、その趣旨の方向で大阪府においても努力をしていただくことに相なっておる次第でございます。 ○議長(辻昭二郎君) 答弁中でございますが、この際おはかりいたします。定刻が参りましたならば時間を延長することに決してご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(辻昭二郎君) ご異議なしと認めます。よって時間は延長されました。 ◎市長(大島靖君) (続)最後に大阪市を中心といたします将来の大阪の交通体系の問題、この問題につきましては、一昨年、都市交通審議会の大阪部会が設置されまして、昭和60年を目途にいたします大阪市を中心といたしました半径50キロの区域における高速鉄道網の整備計画、これの大要が決定されております。この計画に基づきまして、その具体的な実施というものを、国鉄なり、私鉄なり、大阪市の交通局なり、これが今後協議をいたしまして、実施の担当をきめてまいりたいと思うのでありますが、高速鉄道の整備促進は非常に大事な問題でございますので、今後十分努力をいたしたいと存じます。 なおその他の問題につきましては、関係の局長からご答弁を申し上げます。 ○議長(辻昭二郎君) 竹村総務局長。 ◎総務局長(竹村保治君) 公聴部の機能拡充の問題についてお答えいたします。 公聴部機能拡充強化につきましては、常に私ども努力を続けているところでございますが、すでにテレビのカラー放送化、あるいは新聞の紙面等による、あるいはモニターの増員、施設見学会の拡充等、ここ数年改善の努力を続けてまいっているところでございます。しかし、最近の住民運動、あるいはご指摘の市民参加の立場から見まして、公聴部の機能はさらに拡充することの必要が認められますので、一そうの検討をいたしまして、その努力をしてみたいと思います。 ○議長(辻昭二郎君) 中山環境保健局長。 ◎環境保健局長(中山信正君) 環境保健局関係につきましてお答え申し上げます。 心身障害者の発生未然防止策としての予防医学の充実という点でお尋ねでございます。大阪市におきましては、障害児が生まれてからやる対策もさることながら、障害児の発生予防に特に重点を置いて、妊娠中から出産期、乳幼児期を通じて一貫した母子の健康管理体制を確立し強化していきたいとつとめておるわけであります。すなわち母体の胎内にある時期から健康管理という姿勢により、各保健所において妊婦の健康診査、保健指導の徹底につとめるとともに、障害児の発生頻度の高い妊振中毒症などにつきましては、訪問指導を行ない、低所得者層については療養援護費を支給して、早期に適切な療養を受けるよう、その発生予防につとめております。一方、早期発見といたしましては、たとえばフェニールケトン尿症のように、そのまま放置すれば相当重い知能障害を起こすような病気につきましても、早期に発見することによりまして、適切な治療によってりっぱな成人になれるわけでありますが、そういう健康診査を徹底して行ないまして、身体面のみならず精神発達面のチェックを行ないまして、また新生児についても家庭訪問し、発育、栄養、疾病予防の面について指導を行ないます。また療育指定保健所では、専門医による肢体不自由児の療育指導相談も行なっております。これらの障害につきましては、治療によって回復の見込みのある者に対し、育成医療により公費負担を行ない、治療費の負担軽減につとめていきましたが、47年度からは受療促進をはかるために、後天性心臓疾患、人工腎臓による透析医療費を公費負担に加えました。なお、新年度の新規事業といたしましては、妊婦の保健診査の一そうの充実をはかるために、医療機関に委託して、その診査費の1回分について公費負担を行ないます。また心臓手術前に受ける精密検査についても、その費用を負担いたしたいと存じでおる次第であります。さらに心身障害者の発生未然防止策並びに予防医学の充実の重要な施策としまして、48年度には母子センターの開設を予定いたしております。ご承知のように、大阪市は小児保健センターを昭和40年から開設いたしまして、子供の精神的、身体的な健全な発育ということをはかってまいったわけであります。また、それによって多くの子供たちを心身障害者になる運命から助けてきたと考えられるわけでありますが、妊娠中においてすでにこの予防ができるということが、近代の医学の発達によってわかってまいりました。--そういう意味におきまして、母子センターを開設をいたしたいと考えておるわけであります。また小児保健センターにつきましても、この機能をさらに拡充するために増築計画というものを緒につけたい、こういうふうに考えておる次第であります。 次に3歳児検診の完全実施についてでございます。3歳児期は、幼児期を通じまして、心身の発達上最も重要な時期であると言われております。それは、3歳児になると、児童は人間機能の基本的なものを備え、独立期を迎え、一個の人格が形成されたことになるからであります。またこの時期には、精神発達面のおくれとか、言語、聴覚、その他の諸機能の欠陥などが発見可能になることが多いのであります。このため本市では、各保健所におきまして、毎月定例的に小児科医師、精神科医、歯科医師、心理判定医による健康診査を実施いたしております。身体面はもちろんのことでありますが、精神発達面のチェックにも重点を置いて、障害の早期発見につとめるとともに、障害のある児童や精神発達面に問題のある児童につきましては、市立中央児童相談所や市立小児保健センター等において、専門医師等による精密検査を受けるよう適切な指導及び措置を行なっております。近年、幼児保健のかなめとして3歳児の取り扱いがクローズアップされ、3歳児健康診査に対する関心が高まっておりますが、47年度からは母子保健の重要課題として、その推進に取り組んでいるところであります。48年度においてもより充実をはかり、受診率の向上につとめたいと存じております。 次に、妊産婦に対する指導と知識の啓蒙についてでございますが、現在、各保健所におきましては、妊婦の保健指導並びに保健診査を行ない、妊娠から分娩、乳児期を通じて、一貫した体制の確立を目標に保健管理につとめております。すなわち妊娠、分娩時の異常な心身障害児の出生につながるために、特に妊娠中毒症、糖尿病の早期発見と早期治療に注意し、適切な指導を行なっております。また、妊娠、出産、育児並びに受胎調節、家族計画に関する知識を身につけて、正しい理解を持つために母親教室を定例的に開催し、母子保健の知識についての啓蒙の推進をはかっております。 次に難病対策であります。難病対策は、総合的、統一的な施策の必要がありますので、国及び府県業務として実施せられているのが普通であります。しかし本市におきましては、スモン病については、昭年45年、ベーチエット病については昭年46年から大阪府と協力し、病因の究明、治療法の研究、患者の実態把握等を他都市に先がけて実施してまいりました。また48年度は、大阪府にすでに設けられております大阪府難病対策懇談会を通じて、大阪難病研究連絡会、大阪府スモン調査研究会に対し患者の実態調査、治療研究等の事業委託を行ないます。小児難病につきましては、大阪府と並行して、昭和47年度は小児ガン、小児ぜんそく、ネフローゼ、慢性じん炎の4疾患の入院患者に医療負担を行ない、48年度には入院患者のほか通院患者についても医療費負担を行ないたいと思っております。なお、成人の難病について、昭和48年度から、大阪府はスモン、ベーチエット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、再生不良性貧血、多発性硬化症の6疾患に対し医療全額負担を行ない、また悪性じん硬化症、皮膚筋炎、結節性動脈周囲炎、汎発性鞏皮症、ウエジナー肉芽腫症、大動脈炎症候群、血友病、肺腺維症、筋萎縮性側索硬化症、ウイリス動脈輸閉塞症、蛋白喪失性腸症の11疾患について、治寮費の軽減をはかる意味で、治療研究協力謝金制度を設けていますので、われわれとしましては、本市在住の患者がこの制度に漏れることのないよう実態を把握し、周知徹底をはかるとともに、保健所においては患者、あるいはその家族からの申請手続等の相談指導を行なってきました。 次に、休日、祝日救急医療体制についてであります。先ほどもお答え申し上げましたが、休日における診療の問題は、現在、地域医療の緊急課題となっております。すでにご承知のとおり現在の医療行政は、府県中心に進められ、救急医療もまた知事の指導のもとに、外科系を中心にされてまいりました。しかるに近年、救急需要の中で、内科、小児科などの急病の比重が、交通外傷、一般負傷等を大きく上回り、これが休日診療の主たる対象となっているのであります。一方、医療需要に対応する医療従事者の不足が顕著となり、その労働条件、医師の職住分離の傾向、時間外診療の採算性及び医療事故の責任の問題等から、従来、地域医師の一般診療の中で消化されてきた休日診療が次第に困難となり、市民生活に及ぼす影響から、大きくクローズアップされてまいったわけであります。現在各都市とも、この休日診療対策に苦慮しており、自治体と医師会の協力によりいろいろな形の態勢が発足しつつありますが、いずれも現実的な解決策を求めて模索している状態であります。いずれにいたしましても、地方自治体のみの努力では解決できない要因を含んでおりますが、市民にとりましてゆるがせにできない切実な問題でございますので、本市におきましては、問題の重大性にかんがみ、数年前から城北市民病院に救急部門を開設し、また大阪府医師会の協力を得て、休日の続く年末年始の診療体制を確保するなどの措置をしてまいりました。さらに本年1月、関係機関、学識経験者、市会代表、住民代表による大阪市救急医療対策協議会を設け、地域医療関係者の総力を結集して、本市の休日医療体制について、目下精力的な検討を続けておるわけであります。1月24日、2月16日、3月3日というふうに会合を重ねまして、小委員会を結成し、目下精力的に検討を続けております。その結論を待って、48年度できるだけ早い時期に実施に移せるよう考えておる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(辻昭二郎君) 西尾民生局長。 ◎民生局長(西尾正也君) 初めに3歳未満児の乳幼児の医療費の公費負担の実施の問題でございますが、先ほども内村議員のご質問に市長からもご答弁申し上げたところでございますけれども、来年度につきましては、乳幼児の医療の実態でございますとか、あるいは医療機関の受け入れ対策等、その他必要な事項につきまして、調査費200万円を計上いたしまして、慎重に調査、検討いたしていきたい、かように考えておるところでございます。 次に、老人医療費の公費負担の年齢、65歳までの引き下げの問題でございますが、ご承知のように、本年の1月から70歳以上のご老人におきまして、国の制度として実施されることに相なりました。国からの補助、3分の2を交付されることになりまして、従来、府市で実施をしておりましたころに比較いたしまして、若干の経費の減が生じておるわけでございます。しかし、同時に本年1月から67歳まで年齢引き下げを単独に実施することにいたしました。そういったかっこうで年齢の引き下げを、とりあえず実施してまいったわけでございます。なお、65歳以上のお年寄りにつきましては、特に緊急を要する寝た切り老人等を重点に現在実施をいたしておるところでございます。なお、年齢の引き下げにつきましては、本来国が制度として実施すべき問題でございますので、そういった面について、強く国にも要望してまいりたい、かように考えております。 第3番目に入院ベッド差額並びに付き添い看護料の差額の全額公費負担の問題でございます。これは、生活保護による医療扶助を受けて入院される患者に対しまして、個室に入った場合等の差額を負担するということでございますが、48年度より実施をすることといたしております。支給金額といたしましては、1日1人1,000円程度以内と考えておりまして、支給期間は30日を限度というような考え方をいたしております。なお、付き添い看護料の差額につきましては、すでに46年の11月から実施をいたしておるところでございます。毎年4月1日の基準額、一般看護料との差額について、全額補給金という形で支給することといたしておりまして、48年度につきましても、実態に即して改定をいたすことといたしております。 次に、妊産婦に対する助産施設の指定の増加でございます。現在、15カ所、市内で認可をいたしております。昭和43年以降、各年度二、三カ所の増設をはかってまいってきたところでございますが、今後とも、先ほどご要望のございましたように、各行政区、最低1カ所は設けていくように努力を続けてまいりたいと、かように考えております。 最後に、長時間保育、乳児保育、家庭保育、ベビーセンター等の拡充の問題でございます。最近、婦人労働、ことに既婚婦人の就労の機会が非常に多くなっておりまして、保育、ことにいまあげました長時間保育、あるいは乳児保育等に対する要望が強くなってまいっておることは十分承知をいたしております。保育所の増設等、基本的にはそういった形で対処いたしておるわけでございますけれども、その中で、ことに低年--0歳児の比率等をふやす、あるいは民間の保母さんの乳児に対する比率を--定数をふやす、あるいは処遇の大幅な改善等をはかる等、こういった面につきましても、来年度、積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておりますので、ご了解をいただきたいと思います。 ○議長(辻昭二郎君) 芝山教育長。 ◎教育長(芝山嘉郎君) 教育委員会関係の3点についてお答えいたします。 まず第1点の過疎、過密地区における教育施設のアンバランスの問題でございますが、過密地区の問題、私たちは過大校の解消として、48年度の予算で7校の計画をいたして、その収容対策に全力をあげておりますほか、特別教室の整備、あるいは学校校舎の立体化のための木造校舎の鉄筋化など、施設、整備の主力を過密地域に注ぐことにしておるわけなのでございます。しかしまだまだご指摘のように、特別教室等の面で十分とは申し上げられない面があろうかと思いますので、今後より一そうの努力をしてアンバランスをなくするよう努力をしていきたい、こう考えるわけでございます。反面、過疎地域の学校についてでございますが、これは今後、純粋に教育上の見地から研究してまいらなければならない問題だと考えておるわけでございます。なお、過疎地域の学校につきまして、転用による施設の有効利用--直接のお答えにならないかもしれませんが、これも十分考えていかなければならない問題だと考えておるわけでございます。 第2点は、幼児教育の充実のために、公立の幼稚園1園の新設では熱意がないのではないかというご指摘でございますが、私たちは、幼児教育の必要性は、ご指摘のとおりもう十分必要性を考えておるわけでございまして、いままで全力をあげて取り組んできているわけでございますが、公立幼稚園の新設につきましては、その偏在是正、新規計画を進めておるのが現状でございます。すなわち大阪市におきましては、公私立幼稚園、それから保育所を合わせまして、大体95%ぐらいが就園しておるというのが、いまの実情でございますので、教育委員会とすれば、この公私立幼稚園の分布状況や保育所などとの関連を考慮しながら、偏在是正をはかるという立場で計画を段階的に進めていくというのが実情なのでございます。なお、このため既設の幼稚園の整備やあるいは私立幼稚園助成などにも今後さらに努力いたしまして、幼児教育の振興に尽力してまいりたい、こう考えておるわけでございます。 最後に心身障害児教育対策についてでございますが、心身に障害を持つ方々に対する施策につきましては、大阪市としましても、最重点施策として考えておるところでございますし、教育の面におきましても、すべての障害児が適切な教育を受けられるよう、より広範できめこまかな施策の推進をはかるように、いままでも努力をしてまいったところでございますが、昭和48年度におきましては、さらに心身障害児教育を重点施策と考えまして、養護学級の大幅な学級増をはかりたいと考えておりますし、またいままで奥野議員のご指摘にもありましたように、いろいろの施策を考えておるわけでございまして、今後ともこの方向をさらに強化して、養護教育の充実をはかるために、関係機関とも十分な連携をとりながら、積極的な努力をさらに一段と傾注してまいりたい、こう考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(辻昭二郎君) 麻経済局長。 ◎経済局長(麻正保君) お答えを申し上げます。先ほど内村議員さんの開業資金については、ある特別な場合には検討いたしたいというお答えを申し上げたわけでございますが、この特別な場合と申し上げますのは、たとえばある個人が新案特許をとりまして、どうしてもこれを自分で企業化したい、それが将来の中小企業の振興に非常に役立つ、そういった場合には開業のお手伝いをしてもいいのではないか、そういうことでただいま検討いたしておるということでございます。 ○議長(辻昭二郎君) 圓井建築局長。 ◎建築局長(圓井東一君) 住宅の問題についてお答えをいたします。 まず第1は、公営住宅の建設の執行率が悪いのではないかということにつきましてのご指摘でございました。もちろん私どもといたしましては、できるだけ早く着工いたしまして完成をしていきたいというふうに考えておるわけでございますけれども、大阪市域はご案内のとおり非常に狭い、狭い上に九十数%、既成市街地化されておる、したがいまして用地の取得が非常に困難であるということが、この住宅建設の最大の隘路となっております。とは言いましても、今後ともに用地の買収はもちろんのこと、木造の従来からございます市営住宅の建てかえ事業を強力に推進をいたしますとか、あるいは市のいろいろな施設との併存というふうな、都市の高度利用をはかりますとかいたしまして、この公営住宅の建設をできるだけ早めてまいりたいというように考えておるのでございます。なおもう一点ございます点は、やはり住宅が高層化してまいります。去年で言いますと82%、この48年度で言いますと82.7%といいますように、大半は高層住宅でございますので、どうしても工期が長くかかります。たとえば中層の5階でございますと9カ月でできますものが、高層の11階になりますと15カ月--1年3カ月かかる。14階もつくっておりますけれども、これは1年6カ月かかるというふうなことでございますので、公営住宅といいますものは、2年、3年がかりの事業であるということでご理解を賜わりたい、かように思うのでございます。 次に第2点は、住宅の補修の問題でございますけれども、現在の管理戸数が6万5,500戸というふうに膨大な数字になっております。したがいまして、住んでおられます住民は、二十数万人だろうというふうに考えられますので、奥野議員ご指摘のとおり、その補修につきましてのニードは、非常に数も多く多様化しておるということは申すまでもないことでございます。その点につきまして、非常に執行がおくれているんじゃないかということのご指摘がございました。非常に住民の方々にご迷惑をかけておるということにつきましては、申しわけないと思いますけれども、原因は何だというふうにおっしゃられたのでございますけれども、やはり一つは予算の問題であろうと思います。これは毎年増額してもらいますというようなことで努力をしておるんでございますけれども、しかし、やはり住民の方々の応分な負担もお願いしなくちゃいかんということもございましょう。今後とも計画補修という点に重点を置きまして、一そうの努力をしていきたいと考えるのでございます。さらに第2の原因は体制の問題があると思います。この点につきまして、実は、昨年住宅審議会に管理の改善につきまして諮問をいたしました。幸い本年になりまして答申をいただいたのでございますけれども、要するにそのご指摘の趣旨は、管理の仕事をすべて市がするというのじゃなくて、民間の家主さんと同じような通常の作業的要素の強い仕事は、できるだけ公益的な団体をつくって、そこへ委託したらどうだということでございます。これによりまして、従来の、いわゆるお役所の仕組みによりますところの機構、あるいは会計制度といったような制約から離れて、効率的な、弾力的な運営ができるであろうというふうなご指摘でございました。われわれといたしましても、この点につきまして、十分その答申のご趣旨も参酌しつつ、今後、慎重かつできるだけ早く結論を得ていきたいものだ、かように考えておるのでございます。 最後に、身体障害者住宅並びに親子ペア住宅の問題でございます。身体障害者の住宅といいますのは、特定目的住宅といたしまして、毎年建設をしております。ことし募集いたしますのは96戸でございますが、うち特別設計として、車いすで家の中に入れるという設計をしておりますのが14戸ございます。この募集につきましては、関係局と打ち合わせをしながらやってまいっておりますけれども、その実施の状況を考慮しながら、ことしさらにどうしていくかということを、十分な配慮を講じたい、かように思います。さらにまた老人の問題でございます。実は従来の、いわゆる老人世帯向け住宅といいますものがあったのでございますけれども、このほかに実は若夫婦と老人夫婦が一緒に住めるというふうなことのニードが非常に強いのでございます。世論調査をしてみましても、それに対する要望は非常に強いということがわかります。核家族といいましても、やはり一緒に住みたいというふうな意識が多々あるということでございますので、建設省とも十分打ち合わせをしたのでございます。老人の部屋のある住宅をつくられればそれにこしたことはないんでございますけれども、やはり建設基準というものがございますので、それはむずかしい。したがいまして、隣合わせで住めるというようなペア住宅という発想をいたしました。この制度は、全国の公営住宅でも初めての発想であると思いますが、去年からつくっておりまして、ことし募集をいたしますのが40組、80戸でございます。その今後の状況を見ながら、さらに増加等、対処してまいりたい、かように思いますので、よろしくご了承を願います。 ○議長(辻昭二郎君) 長澤交通局長。 ◎交通局長(長澤滋君) 地下鉄事業の経営収支でございますが、昭和48年度におきましては、約10億円の赤字が発生する見込みでございます。ご承知のとおり、昭和48年度、国家予算におきまして、地下鉄に対する助成制度が大幅に拡大されることとなったわけでございますが、その効果は徐々にあらわれてくるものと、そのように考えている次第でございます。したがいまして、われわれといたしましても、業務の機械化等、企業内努力を一そう推進するなど、経営健全化のためのあらゆる方策を検討していく所存でございます。いずれにいたしましても、今後長期的な見通しのもとに地下鉄経営健全化に取り組み、できるだけ早期に単年度収支が均衡するよう努力し、累積赤字の解消に努力してまいりたい、そのように考えている次第でございます。 ○議長(辻昭二郎君) 水野水道局長。 ◎水道局長(水野福太郎君) 水道局関係の3点のご質問につきましてお答え申し上げます。 出水不良、さらには低水圧、赤水の対策の問題でございますが、この問題につきましては、従来から拡張事業、さらには配水管整備事業をやってまいりまして、出水不良と申しますか、0.4キログラム以下のものでございますが、これについては解消を見たわけでございます。しかしながら低水圧--これは0.4から1キログラムでございますけれども、さらに赤水の問題につきましては、昨年の調べによりましても、6,000世帯程度のものが残っておるわけでございます。皆さま方に非常にご迷惑をおかけしておるわけでございます。それでこの対策といたしまして、昭和47年度から5カ年計画でもって200億という事業費を組みまして、配水管整備事業を進めておるわけでございまして、現在、昭和48年度におきまして、第2年目でございまして、事業費にしましては39億円を計上いたしまして、これによりまして新管を布設していく、さらには古い管を布設がえをいたしたい。また、さびどめのない無ライニング管というのが、相当延長があるわけでございますが、これは重点的にライニング工事をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。さらに漏水防止の問題でございますが、これは水質源の現在の窮状といったことから、特に今後においては決意を新たにして取り組まなければならないというふうに認識をいたしておるわけでございますが、一番漏水の多いのが給水装置でございますので、そういったことで、配水細管というものを積極的に布設をいたしまして、給水装置の統合をする、漏れる個所を少なくするといった方針、さらには現在までやってきております漏水防止作業を強化いたしまして対処してまいりたい、このように現在考えておるわけでございます。 第2点といたしましては、水資源の問題でございますけれども、昨年、閣議決定されました淀川水系の水資源開発基本計画というのがございますが、これによりますと淀川水系に依存する地域の昭和55年度までにおける新規需要が68立方メートル--毎秒でございますが、こういう数字が出ております。これに対して新規需要水量は、淀川水系からの開発水量は、約49立方メートル、したがいまして、毎秒約19立方メートルが足らないわけでございます。そういったことで、今後はこれを他水系--ほかの方法で工面をしなければならないといった状態になってきておるわけでございまして、現在紀ノ川といったような新しい水系の水を導入する、さらには海水の淡水化--これは将来の問題でございますが、それから下水の処理をもう一ぺん再生しまして、工業用水に使うといったようなこと、さらには大きなビルに対する水の使用の合理化を促進させるといったことで、こういった問題につきまして、現在大阪府、近畿地建、大阪市共同でもって基礎調査をやっておるのが現状でございます。 第3点といたしましては、淀川の水質保全の問題でございます。これにつきましては、公害対策基本法によりまして、水質汚濁にかかわる環境基準というものが設定されました。水質保全のための行政目標値というものが決定しているわけでございます。淀川水系におきましては、ほとんどの水系につきまして、これが決定を見ております。私どもの取水地点であります3地点につきましては、B類型といったことで、BOD、3PPというのが目標値でございますが、現在は暫定的に5PPということになっております。こういったように、到達すべき目標値がはっきりきまっておるわけでございます。この目標値に達成するために、水質汚濁防止法、さらには府県の、さらにきびしいところの--上のせ基準といっておりますが、条例、こういったものをシビアにしてほしいということを、大阪はもちろんでございますが、京都府、滋賀県、さらには三重県、和歌山県といったところに強く働きかけをしてまいりまして、非常に強い条例はできております。ただこれの監視、さらにはこればかりではなくて、やはり淀川の水質を保全するためには、流域下水道、さらには公共下水道の完備を見なければならないわけでございます。こういった下水道計画につきましては、ほとんど全地域について網がかぶさっております計画ができておるというところでございますけれども、公共下水道は相当進んでおります。京都の70%程度といったことで、相当進んでおりますが、流域下水道につきましては、まだ緒についたといったところでございます。こういった問題につきまして、われわれとしましては、上流のほうに強く働きかけまして、建設促進をお願いをいたしております。さらには下流の利水者、7団体が団結しまして、淀川水質協議会という会をつくっておりますけれども、ここでそういった問題を強く働きかけるとともに、みずから上流の水質を検査をし、また工場の水も取りまして、いろいろ上流の府県につきまして、監督の強化をお願いしておるということをやっております。さらには上流の住宅、団地、工場等の立地に関しまして、適切なる施設をつくるように助言、勧告をやったりしておりまして、みずからそういったできるだけのことをやっておるのが現状でございます。こういったことを強化することによりまして、3PPといった取水地点の目標値に一日も早く達成するように、今後ともさらに努力を重ねたい、このように思っておる次第でございます。 ○議長(辻昭二郎君) 7番奥野修三君。 ◆7番(奥野修三君) ただいま市長及び各理事者の方々からるるご答弁をいただきましたが、私どもといたしまして、満足しかねるご答弁もありました。この点は委員会のほうに回すといたしまして、その中で重要な問題でありますところの、先ほど市長が私と同じ気持だと、このようにおっしゃいました心身障害者のリハビリテーション施設建設準備のこの1点について再びお願いいたします。この問題は、48年度の予算案の中でも、福祉施策として市民が待望する特筆すべきものであります。現在までの対策としては、障害の程度が多岐にわたりますゆえ、その窓口には一貫性を持っておりません。たとえば、肢体不自由児、精神薄弱、言語障害、視聴覚不自由、その他難病、さらにこれらの重症複合障害と、その内容はきわめて複雑であります。その取り扱いも福祉事務所、児童相談所、小児保健センター、あるいは保健所等々、関係機関がそれぞれ異なっていて、そこで行なわれております。そのために相談を受ける人たちは、身障者をかかえて、あちらこちらと、とまどいながら非常に困っております。また運よく施設に入ることができても、それがほんとうの意味のリハビリテーションが行なわれておるかどうかとなりますと、はなはだ疑問に思うところが多々あります。また、アフターケアにおいては、ほとんど無策のような状態であると申し上げても過言でないと思います。そこで、今回せっかく身障者リハビリテーション施設の建設準備にかかられるわけでございますので、私ども公明党は、この施設を最も有効的に、そして血の通った福祉施設を建設されることを強く要望するものであります。たとえば、リハビリテーションセンタ-の施設が、総合インフォメーションセンター的な機能を持ち、複雑多岐にわたる心身障害者の人たちが、まずセンターに行けば安心して相談を受けられることが最も必要であると考えるわけであります。そして、教育相談、あるいは医療、保健相談、あるいは職業、更生相談等々、専門の相談員を配置いたしまして、障害者の実態に応じて、その対策及び指導をする必要があると思います。またその判定、評価も、医学的判定、心理学的判定、教育学的判定、職能判定等々、専門的に調査した上で総合評価を下し、リハビリテーション専門病院等を設置して、よく連携を保ちながら、各種のリハビリテーション施設に入所させ、機能回復訓練をはかるべきであると思います。そしてさらに就職あっせん、あるいは職業、更生カウンセリング等々して、ほんとうに社会復帰が可能になるまで、一貫した施策が大事なのではないでしょうか。さらに、まことに気の毒でありますが、社会復帰の見通しの不可能な人については、その養護施設を拡充して、気の毒なこれらの人々をあたかく見守っていくことこそ、ほんとうに血の通った福祉施策ではないかと思われますが、いかがなものでございましようか。そこで、私は一昨年、国立の重度身障者の療養所であります別府の療養所にも行ってまいりました。また1週間前は、伊東の国立療養所にも行ってまいりました。そこでたくさんの人たちの状態を見てまいりました。別府の療養所と伊東の療養所は、少し体質が違いますけれども、特に感銘しました点は、療養所のみならず市民の皆さん方の協力があるということであります。一つの例をあげてまいりますと、この方は、3年前に交通事故で疾病を受け頚椎を損傷しておりますので、下半身不自由であります。28歳の青年です。3カ月間人事不省でありました。東京の板橋の病院で3年間、いわゆる付き添い婦がつきまして、スプーンで食事を受けておりました。その方が本年の1月にこの伊東の療養所に参りました。そして、リハビリテーション訓練を受けました。もちろん専門的にいろいろと、その方々の訓練もしております。現在では自分で車いすを押しながら便所にも行くことができます。食事にも行くようになりました。私はその青年にお伺いしました。あなたはこのような状態で生きがいを感じますか。彼はこう申しておりました。いままでほとんど社会復帰ができなかった私が、こうして自分で食事をすることができる、自分で便所に行くことができるということに大きな生きがいを感じておる。その青年の目は、きらきら輝いておりました。また、ある22歳の女性に会いました。その方は難病であります。筋ジストロフィーという病気であります。16歳で入所しました。だんだんと筋肉が萎縮してまいりまして、現在ではもうほとんど歩行困難です。車いすにも乗れません。しかし、地元の人たちの中に青年のグループがあります。2人の女性が毎月2回その女性のところへ参ります。その方は歌を歌うことが非常に上手であります。ピンセットを口にくわえて、そして押し絵を貼っております。そして、あなたの生きがいは何ですかと、私は聞きました。私は手足が不自由で何もできませんけれども、歌を歌うことが私の希望であると彼女は言っておりました。私は、そういうところを十分に拝見して、市長がこのたび画期的なリハビリテーション施設の建設をされるというその意図については、私は施設のみならず、そのような総合的な、いわゆる住民として、人間として血の通ったような指導、訓練、そのような設備が必要でないかと思います。この機会にこのことをぜひ申し上げまして、このリハビリテーション施設の建設をりっぱなものにしていただくように……。先ほど市長は、私どもと同じ心境である、同じ気持だとおっしゃいましたので、もうご答弁は要りませんが、このことを私ども公明党大阪市会議員団としましては、強く要望するものであります。以上でございます。(拍手) ◆34番(高橋幸一君) 動議を提出いたします。本日の質疑はこの程度で打ち切り、明7日午前10時より会議を開かれんことを望みます。 ○議長(辻昭二郎君) 34番議員の動議にご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(辻昭二郎君) ご異議なしと認めます。、よって動議のとおり決しました。 △閉議 ○議長(辻昭二郎君) 本日の日程は以上で終了いたします。 △散会 ○議長(辻昭二郎君) 本日はこれをもって散会いたします。   午後5時40分散会大阪市会議長  辻 昭二郎(印)大阪市会副議長 吉田 弘(印)大阪市会議員  音在又一(印)大阪市会議員  大神 仁(印)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和48年3月6日)(終)...